伝統的農産物「沖縄島野菜28品目」夏・通年野菜の特徴とぬちぐすいレシピ

全国各地にはその地域に根付いた固有の農作物や食材、料理があります。今回は沖縄食材スペシャリストでもある、食ZENラボ編集部が沖縄の島野菜についてご紹介していきます。特に今回のコラムは、夏を中心に収穫され、暑い時期にぜひ食べいただきたい旬野菜として、「ゴーヤー」「パパイヤ」「シブイ」「シカクマメ」「ウンチェー」「シマナー」「サクナ」「フーチバー」「イーチョーバー」「クワンソウ」の10品目を取り上げながら特徴をご説明し、お薦めの『ぬちぐすい(命の薬)レシピ』もあわせてご紹介します。

 沖縄島野菜の定義

まずは伝統的農作物・島野菜の定義からご紹介します。沖縄県では「伝統的農産物」を以下3つの基準で定義し、要件を満たす「伝統的農産物」を『沖縄伝統野菜28品目』として定めています。

沖縄伝統野菜

伝統的農作物

1.戦前から食されている
2.郷土料理に利用されている
3.沖縄の気候・風土に適合している

伝統的農産物は別名『島野菜』と呼ばれており、沖縄の気候・風土に適した島野菜は栄養価も高く、日々の食卓にぜひとり入れていただきたい食材です。

現在「沖縄伝統野菜28品目」として認定されている島野菜は、以下の通りです。

ウンチェー、カンダバー、シカクマメ、島ニンジン、シマナー、島らっきょう、ターンム、ナーベラー、ニガナ、ハンダマ、フーチバー、モーウイ、野菜パパイヤ、イーチョーバー、オオタニワタリ、島カボチャ、チシャナバー、島ダイコン、ノビル、葉ニンニク、フーロ―豆、ヤマン、ンスナバー、紅イモ、クワンソウ、ゴーヤー、サクナ、シブイ

栄養価も豊富で、地域農業の振興の観点からも積極的に食べたい島野菜ですが、伝統的な料理や郷土料理を家庭で食べる機会が減り、また伝統野菜は見た目が一風変わったものも多く、「そもそも食し方がよくわからない」といったお声も多く聞かれます。

食ZENラボでは、伝統的な調理法はもちろん、これまでの食べ方とは異なる様々なアレンジ・工夫したレシピを考案し、老若男女問わず多くの方に幅広く島野菜を使っていただけるよう、おかずからスイーツまで様々なジャンルのレシピをご紹介しています。

多くの方に親しんでいただき、お店で手に取る食材の第一候補が「島野菜」となると良いなぁという気持ちで、春夏秋冬季節に応じた島野菜・レシピをご紹介していきます。
沖縄の太陽を浴びてスクスク育った栄養満点の島野菜をぜひ楽しんでいただけますと嬉しく思います♪

 夏が旬の沖縄島野菜ピックアップ
【ゴーヤー】 ウリ科 ニガウリ属

沖縄方言名:ゴーヤー、ゴーラー、ゴーヤ
和名:にがうり

<主な栄養素>
ビタミンC(加熱しても壊れにくいと言われている)、葉酸を豊富に含みます。
<外観や特徴>
つぶつぶが小さくて色の濃いものは苦く、つぶつぶの大きいアバシゴーヤー等はあまり苦味が少ないようです。苦味が苦手な方は、塩もみして水気を切ると、苦味が和らぎます。
<選び方>
表面にツヤがあり、つぶがみずみずしいものを選びましょう。
<レシピ・調理例>
ちゃんぷるー、天ぷら、酢の物、漬物等

ゴーヤーのおすすめレシピ(興味のあるレシピをクリック下さい♪)
・ゴーヤーと豚ひき肉のスパイシー挟み焼き!キャンプ飯にも♪
・ゴーヤー×ロコモコ丼♪ビタミンC・B1で元気に!
・ほろ苦ゴーヤーの美肌カラフルマリネ

【野菜パパイヤ】 パパイヤ科 パパイヤ属

沖縄方言名:パパヤ、マンジュウギ、マンジュイ
和名:パパイヤ

<主な栄養素>
「パパイン」というタンパク質分解酵素を含みます。また、ビタミンCも豊富です。
<外観や特徴>
生で食べる場合、流水にさらしてアク抜きをすると食べやすいです。煮ると大根のような食感があります。炒め物にもよく合います。
<選び方>
重量感のあるしっとりとしたものを選びましょう。
<レシピ・調理例>
パパイヤシリシリー、イリチー、サラダ等

青パパイヤのおすすめレシピ
・青パパイヤ炒め(イリチー)♪沖縄家庭料理
・人参シリシリとパパイヤシリシリの簡単手作りキムチ♪
・青パパイヤの柚子和え*常備菜にも

【シブイ】 ウリ科 トウガン属

沖縄方言名:シブイ、スーブ、スブル
和名:とうがん(冬瓜)

<主な栄養素>
ビタミンCを豊富に含みます。また、利尿作用があると言われています。
<外観や特徴>
生で食べる場合、流水にさらしてアク抜きをすると食べやすいです。煮ると大根のような食感があります。炒め物にもよく合います。
<選び方>
重量感のあるしっとりとしたものを選びましょう。
<レシピ・調理例>
汁物、煮物、あんかけ、砂糖漬け等

シブイのおすすめレシピ
・シブイ(冬瓜)とタコのやみつき辛炒め
・冬瓜(シブイ)と手羽先の身体に優しいスープ
・冬瓜(シブイ)と干しエノキの黄金スープ*やさしいお出汁♪沖縄島野菜レシピ

【シカクマメ】 マメ科 トウサイ属

沖縄方言名:シカクマーミ
和名:しかくまめ

<主な栄養素>
ビタミンA、Cのほか、マグネシウムを含みます。
<外観や特徴>
コリコリした食感で少し苦味があります。断面が四角で、角の部分がヒラヒラしています。
<選び方>
先端部分が緑の青々としたものを選びましょう。
<レシピ・調理例>
サラダ、揚げ物、炒め物、煮物等

シカクマメのおすすめレシピ
・シカクマメと干し桜えびのピリ辛和え♪カルシウムたっぷり

【ウンチェー】 ヒルガオ科 アサガオ属

沖縄方言名:ウンチェー、ウンチェイ、パナイ
和名:ようさい(別名:えんさい・空芯菜)

<主な栄養素>
鉄分、ビタミンA、葉酸を豊富に含みます。また、ビタミンB2、C、Eも含まれています。
<外観や特徴>
茎が空洞になっており、シャキシャキとした食感が特徴です。ツルの先端が柔らかいので、葉とともに炒め物などに使えます。
<選び方>
傷みやすいので、なるべく早く使いましょう。保存する場合は、湿らせた新聞紙等に包み立てた状態で冷蔵保存すると長持ちします。
<レシピ・調理例>
炒め物、汁物、和え物等

ウンチェーのおすすめレシピ
・空心菜(ウンチェー)とアーモンドの炒め物!調理時間5分♪

 通年食べられる沖縄島野菜ピックアップ
【シマナー】 アブラナ科 アブラナ属

沖縄方言名:シマナー、ミヤークナー、アカナー
和名:からしな

<主な栄養素>
ビタミンA、C、葉酸、鉄分を多く含んでいます。また、カルシウムも含まれます。
<外観や特徴>
独特の辛味が特徴で、辛味がきつい場合は、塩漬け(チキナー)にしたり、湯通しすると辛味が和らぎます。
<選び方>
濃い緑色をしていて、葉のギザギザまでピンと張りのある小さめのものを選びます。保存する場合は、新聞紙等に包み冷蔵保存するか、塩漬けにしましょう。
<レシピ・調理例>
塩漬け、おひたし、炒め物、汁物、煮物等

シマナーのおすすめレシピ
・島野菜シマナー(からしな)で*ご飯が進むお惣菜レシピ動画♪

【サクナ】 セリ科 カワラボウフウ属

沖縄方言名:サクナ、ウプバーサフナ、チョーミーグサ
和名:ぼたんぼうふう

<主な栄養素>
カロテンやビタミンC、カルシウムを豊富に含んでいます。
<外観や特徴>
葉が肉厚で「長命草」とも呼ばれます。独特の香りがあり、魚汁や肉汁、山羊汁の臭い消しに使われます。また天ぷらや和え物にも利用されます。
<選び方>
葉に白っぽい光沢があり、ツヤの良いものを選びます。保存する場合は、湿らせた新聞紙等に包みビニール袋に入れて冷蔵保存します。
<レシピ・調理例>
魚汁や肉汁、山羊汁、天ぷらや和え物等

サクナのおすすめレシピ
・島野菜サクナ(長命草)とパインの二色スムージー♪レシピ動画♪

【フーチバー】 キク科 ヨモギ属

沖縄方言名:フーチバー、ヤツーウサ、ヤタフツイ
和名:にしよもぎ

<主な栄養素>
ビタミンAやB2、C、葉酸、鉄分を多く含みます。
<外観や特徴>
苦味の比較的少ないやわらかい品種で、独特の爽やかな香りがあります。フーチ(病気)を治すバー(葉)という意味でフーチバーと呼ばれます。調理する場合は根に近い葉は硬いので避けた方が良いでしょう。汁物に入れる場合は、調味する前に入れると苦味がきつくなりません。
<選び方>
斑点がついているものは避け、やわらかそうなモスグリーンに近い色味のものを選びます。保存する場合は、湿らせた新聞紙等に包み立てた状態で冷蔵保存します。
<レシピ・調理例>
ジューシー(雑炊)、山羊汁、沖縄そば、肉汁、魚汁等

フーチバーのおすすめレシピ
・島野菜フーチバー(ニシヨモギ)とタンカンの簡単マフィンレシピ動画♪
・島野菜フーチバー(ニシヨモギ)の万能ジェノベーゼソース♪レシピ動画♪

【イーチョーバー】 セリ科 ウィキョウ属

沖縄方言名:イーチョーバー、ウイチョー、ウィキョウ
和名:ういきょう(別名:フェンネル)

<主な栄養素>
ビタミンAやC、葉酸が豊富に含まれています。
<外観や特徴>
糸状の細かい生葉は、魚料理等の臭い消しによく使われます。また、生葉を天ぷらにしたり、泡盛に漬け薬用酒に使われるなど、古くから薬膳料理として使われています。
<選び方>
葉の色が鮮やかで、やわらかそうなものを選びます。変色しているものは避けましょう。保存する場合は、新聞紙等に包み冷蔵保存します。
<レシピ・調理例>
魚汁、天ぷら、サラダ等

イーチョーバーのおすすめレシピ
・鮭のソテー*イーチョーバー(フェンネル)爽やかサワーソース♪レシピ動画【

【クワンソウ】 ユリ科 ワスレグサ属

沖縄方言名:クワンソウ、シファンツァ、パンソー
和名:あきのわすれぐさ(別名:カンゾウ)

<主な栄養素>
ビタミンEが豊富に含まれています。また、ビタミンC、葉酸も含んでいます。
<外観や特徴>
若芽や葉、根元の柔らかい部分は和え物に、花は酢の物やおひたし、吸い物、天ぷらにして食べます。オレンジ色の綺麗な花は、観賞用としても売られています。
<選び方>
根が切られて販売されていることが多いので、切り口の色が変色していない新鮮なものを選びます。保存する場合は、湿らせた新聞紙等に包み冷蔵保存します。
<レシピ・調理例>
和え物、炒め物、酢の物、吸い物、天ぷら等

クワンソウのおすすめレシピ
・クワンソウのお浸し【


 沖縄食材図鑑・沖縄食材スペシャリスト検定について

みなさまは沖縄の食材をいくつご存じですか?また、沖縄食材スペシャリスト検定の資格をご存じですか?

沖縄の長寿を支えてきた伝統的な食文化そして伝統食材に関する正しい知識を身につけ、その良さを認知し理解していただくための検定制度として長年親しまれてきた『沖縄食材スペシャリスト検定』。

一般社団法人食の風と琉大ウェルネス研究室が協働監修した新刊『沖縄食材図鑑(令和5年度改訂版)』を公式テキストとし、沖縄の「野菜、雑穀、果物、肉、魚、海藻、”薬草”」145種類以上の食材をに関する知識を習得し、沖縄県の農林水産漁業の現状を学ぶことができます。
食業界の企業様の中には、社内で昇進を決める際に、本資格の取得有無を参考にしているところも!

『沖縄食材図鑑』は、沖縄県民、沖縄好きな皆様の一家に一冊!とおすすめしたい書籍です。沖縄食材図鑑で沖縄食材や沖縄の食文化をしり、学び、そして伝えていくための『沖縄食材スペシャリスト検定』!こちらもぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。


参考文献:令和5年度改訂版沖縄食材スペシャリスト検定公式テキスト「沖縄食材図鑑」、令和3年6月沖縄県農林水産部園芸振興課発刊「伝統的農産物おきなわ島ヤサイガイドブック」

食ZENラボ編集部

食ZENラボ編集部:
日々の調理や家族の闘病時の食事づくり・寄り添い経験を活かし、一般的な生活者の視点から、食生活を楽しく、潤い・彩りあり豊かなものにすることを目指しています。
日々食材・栄養素のリサーチ、レシピ・テーブルコーディネート考案等を行っています♪
沖縄食材に通じる『沖縄食材スペシャリスト』認定者

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