春色で飾るテーブル・食卓のつくり方~季節を楽しむ食卓の工夫とレシピ~

温もりあふれるうららかな陽射しと、清々しく気持ちの良い空気に包まれた春。草木が一斉に芽吹き、花々が咲き誇る季節がついにやって来ました!

この時期、店頭に並び始めるのは、目にも鮮やかな緑の春野菜。そして風味が良く、繊細な味わいを持つ山菜たち。さらには新じゃがいもや新玉ねぎ、たけのこ、菜の花など、野菜ひとつをとってみても実に多岐にわたります。

これだけさまざまな食材が一時に揃うのを眺めていると、なんだかまた新たな気持ちでお料理にも挑戦してみたくなりますよね。何より、食事というのは毎日のこと。美味しく楽しい食事の時間は生活を豊かなものにし、日々の営みをいっそう充実したものにしてくれます。

「食事を楽しむ」とひと口に言っても、それは実にさまざまな要素から成り立っています。どんな料理を食べるのかはもちろんですが、どんな雰囲気の中でいただくのかも意外と重要ですよね。

そこで今回は、食材や料理、テーブルコーディネートなど、毎日の食事の中にさまざまな形で春色のテイストを手軽に取り入れる方法をいくつかご紹介してみたいと思います。一人で食事を楽しむ時も、大勢でのひとときも。何かひとつでもお気に入りのものを見つけていただけたら嬉しいです。おすすめレシピも掲載していますので、ぜひ楽しんでお試しください。

1. 春のテーマカラーで食卓を彩る

まず、毎日の食事の中で、気軽に春色気分を取り入れることができるのがテーブルの上の色合いです。皿に盛り付けられた料理はもちろん、テーブルクロスでも食器でもカトラリーでも、花瓶にいける一輪のお花でもかまわないのですが、その季節を象徴するカラーをひとつ添えるだけでもなんだか気分が明るくなります。

春で言うなら、【桜のピンク】や【若葉の緑】日本人が大好きで、和でも洋でも好まれるやさしい色合いです。ほかには、【淡いブルー】や【黄色】、【】などのパステルカラーも春ならではのかわいらしくて爽やかさのあるテーブルを演出してくれます。

また、太陽のぬくもりを思わせる【黄色】、青々とした草木の勢いを感じさせる緑などの【ビタミンカラー】(柑橘・蛍光系の元気になれる色)も春に好まれる色。見た目に元気を感じさせてくれるだけでなく、春に旬を迎える食材の色合いとも相性が良いようです。
日本で桜のピンクと緑が愛されているのと同様、とりわけヨーロッパではこの2色が春の訪れを告げてくれます。

料理に取り入れるのであれば、『山菜』や『青菜』をメインに据えたひと皿だとか、『刻んだ生のハーブ』をふんだんに使ったメニューなどもおすすめ。グリーンの鮮やかな色合いが目を楽しませてくれるのはもちろん、青菜のシャキシャキした歯ざわりや、山菜やハーブのさわやかで鮮烈な香りは気分を大いにリフレッシュさせてくれます。

食卓を彩るおすすめレシピ

ふきのとう&たけのこご飯
青菜と豆腐の中華蒸し
ゆでたまごと春野菜のグリーンソース添え
ちょっぴり大人なたまごサンド
2. 春のモチーフで食卓を飾る

海外の文化との関連で言えば、この時期、イースター(復活祭)も春を楽しむ上では欠かせないイベントです。最近ではだいぶ日本でも親しまれるようになってきましたが、明るい色に染められた可愛らしい卵やウサギのモチーフは、なんだかそれだけでその場の空気を楽しいものにしてくれますね。そのほか、キリスト教に関連したヒツジやハトなどもこの時期によく好まれる動物です。

イースターについては、以前、こちらのコラムでもご紹介させていただいた通り、さまざまな楽しみ方があります。イースターの中心となるのは「復活祭の日曜日」と呼ばれる日の前後ですが、イースターシーズンはしばらく続くので、春を象徴するお祭りとして長く楽しむこともできますよ。

おすすめコラム

コラム:春の訪れを感じるイースター(復活祭)の食卓と楽しみ方

イースターを祝うこの時期は、もともと長かった冬の寒さに別れを告げ、暖かく降り注ぐ春の陽射しを思い切り楽しむ季節。なんといっても、春は草木が芽吹き、花々が咲き誇る季節ですから、食卓にお気に入りの植物を飾るのも素敵ですね。花瓶にいけるだけでなく、『エディブルフラワー』という形で料理に食材として添えてみるのも楽しいかもしれません。

3.季節の食材を楽しむ

そして最後はやはり、春らしい食材を使ったお料理の数々についてもぜひ触れておきましょう。どんな食材であっても、やはり旬の味わいが持つ魅力は何にも増して私たちの五感を刺激します。

といっても、そんなに難しく考える必要はありません。いつも口にしている野菜や果物を、ほんのひとつ旬のものに変えるだけでも立派なごちそうになるのです。たとえば、『アスパラガス』『新じゃがいも』『スナップえんどう』『菜の花』などの春野菜。普段、小松菜やほうれん草などの定番野菜を使うところを、これらの旬の野菜に変えてみるだけで、春野菜ならではの甘みや独特の食感・風味を楽しむことができます。

季節の食材で楽しむおすすめレシピ

しっとり鶏むねローストチキンの春にんじんグリル添え

野菜でいうなら、この時期は間引きされたミニサイズの野菜も出回る頃。間引きというのは、野菜をより大きく良い味に育てるためにおこなわれる作業のことで、年に何回かタイミングがあります。たとえば大根の葉だったり、ミニサイズのにんじんだったり、運が良ければそんなものにも出会えるかもしれません。通常の野菜よりもやわらかく、風味もやさしいものが多いので、比較的食べやすいのが特徴です。

●「抜き菜(ミニ大根)の料理」の写真 by庭乃桃

Photo by Niwano Momo

●「間引きののらぼう菜」の写真 by 庭乃桃

Photo by Niwano Momo
キャロットケーキ

また、魚でいうなら、『』や『』。おめでたさや華やかなイメージがありますし、味わいにもクセがないので春野菜と合わせても主張しすぎることなくバランスがまとまります。魚介でいうなら、そのほか『あさり』や『はまぐり』『帆立』などの貝類も美味しい季節ですよね。『釜揚げしらす』や『わかめ』なども旬を迎えますし、そんな食材ならお吸い物に加えてみたり、温かいご飯にたっぷりのせていただいてみたりと、意外と手軽に旬の味が楽しめます。

そしてこの季節に見逃せないのが、国産の果物類。果物だと、春はつい『イチゴ』ばかりに目が向きがちですが、『オレンジ』や『グレープフルーツ』系の柑橘類の種類が最も豊富になるのもこの春の時期です。また、最近ではすでに春先から陽射しの強い日も多いので、ひと足早く夏を感じさせてくれる沖縄産の『パイナップル』なども元気をもらえるフルーツのひとつ。
こうした果物は、甘みはもちろんですが水分も多く、急な気温の上昇による体のほてりを冷ましてくれる効果なども期待できます。

沖縄の食材といえば、シャキシャキした歯ざわりと辛みがたまらない『島らっきょう』も春が旬。先に触れたハーブや山菜などもそうですが、こうした風味や食感に特徴のある食べ物は、新生活で知らず知らず疲れた心身をいたわり、リフレッシュさせてくれることでしょう。

そのほか、一年の内で牧草が最も生き生きと茂る春はチーズも美味しい季節。特に山羊乳で作られる『シェーヴルチーズ』(英:Goat milk cheese)は有名で、フランスでは春を告げる食材として愛されています。さわやかさの中にもまろやかさやコク、独特の風味があり、よく冷えた白ワインやバゲットはもちろん、野菜や果物との相性も良いのでピクニックやベランピングにもぴったりです。
春のうららかな空気の中、こうした味わいに特徴のある食べ物を美味しくいただくのも素敵だと思います。

春は新しい出会いと、さまざまなチャレンジが始まる季節。ぜひ皆さんも、春らしい心浮き立つようなお気に入りの食卓と共に、心と身体がほんのひととき安らげる大切な時間をお過ごしください。

料理/食文化研究家・庭乃桃さん

料理/食文化研究家・庭乃桃さんMeal Partner_Food Culture Researcher

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大学院でヨーロッパ地域の歴史・文化を専攻し、現地へ留学。
企業向けレシピの開発やスタイリング・撮影を手がけるほか、書籍・コラムの執筆や、翻訳、講演など多方面で活動中。

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