秋薬膳で乾燥対策!4つのポイントとおすすめ食材【国際薬膳師コラム】

秋といえば食欲の秋!
旬を迎える野菜や果物がたくさんあり、お料理の食材を選ぶのもわくわくしますね。
せっかくの美味しい食材を秋のカラダにあわせて選んでみませんか?

東洋医学には「整体観念」という考え方があります。

整体観念とは自然のなかで生活する私たち人間も自然の一部であり、自然の変化とともに人間のカラダの状態も変わるという考え方です。

季節特有のカラダの変化は、時に体調不良をまねきます。薬膳はそれぞれの季節にあった食事をいただくことで、季節にまつわる不調を予防するのに役立ちます。

秋薬膳の4つの基本ポイント

1.秋の前半・後半で食材使い分け
2.燥邪(そうじゃ)に負けない
3.五臓の「肺」を元気に
4.辛いものは避けて

それぞれのポイントをおすすめの食材とともに、わかりやすくご紹介いたします。秋におすすめの薬膳レシピもご紹介しますので、是非、お試しください。

 1.秋の前半・後半で食材使い分け

まず秋の薬膳について考える前に、秋とはいつでしょうか。

朝夕の風が涼しくなってくるとそろそろ秋かなと感じるようになりますが、暦の上では8月7日前後の立秋に秋がはじまります(*年によって変わります)。まだ夏の本格的な暑さが続くお盆の前に暦上はすでに秋となり、立冬の前日に終わりを迎えます。立冬は例年11月7日前後に訪れます。

まだまだ夏の暑さが強いなかにはじまり、冷たい北風が届く頃におわる秋は、ひとつの季節のなかでも気候や気温が大きく変わります。そのため、薬膳では秋を2つの時期に分けて考えます。

温燥

おんそう

立秋から秋分の前日まで

涼燥

りょうそう

秋分から立冬の前日まで


年によって若干異なりますが、以下、二十四節気の暦を参考下さい。
「立秋8月7日頃~ 秋分9月23日頃」、「秋分9月23日~立冬11月7日頃」


温燥におすすめの食材

トマト、きゅうり、豆腐、リンゴ、梨、キウイフルーツ、びわ

涼燥におすすめの食材

鶏肉、鮭、栗、かぼちゃ、もち米、さつまいも、朝鮮人参

 2.燥邪に負けない

湿気が強い夏から、秋はからっと過ごしやすい季節になりますね。ただ、この乾燥は秋のカラダの不調を招く原因にもなります。

東洋医学では、カラダに入り込み、病気をひきおこす気を「邪気」とよびます。
秋は乾燥をひきおこす「燥邪」(そうじゃ)の季節です。燥邪がカラダに入り込むと喉や鼻の乾燥、呼吸をつかさどる肺のトラブルにもつながります

そこで乾燥に負けないよう、食材を通して、カラダのなかから潤す食べ物をとります。
特に「白きくらげ」や「白ごま」は、お肌の乾燥におすすめです!

カラダを潤す食材

<野菜果物>  小松菜、アスパラガス
<肉・魚介類> 豚肉、卵、帆立、牡蠣、マテ貝
<その他>   白きくらげ、ごま、松の実、チーズ、クコの実、牛乳

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 3.五臓の肺を元気に!

呼吸をつかさどる五臓の「肺」は、秋に働きが活発になりますが、乾燥が苦手です。乾燥によって「肺」が弱ってしまうと、喉の痛みや咳、鼻の不調などが起こりやすくなります

また、東洋医学では「肺」はお肌に通じるとされています。「肺」が元気でないと、お肌の状態にも影響がでて、乾燥肌へとつながります。

秋を元気にすごすためには、「肺」を元気にすることがとても大切です。

秋に活発になる「肺」を元気にする食材

<野菜果物>  長いも、にんじん、桃、柿、梨、びわ、銀杏
<肉・魚介類> 鶏肉、サバ
<その他>   もち米、なつめ、杏仁、はちみつ、豆乳

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 4.辛いものは避けて

秋は乾燥が強くなるためカラダを潤し、呼吸をつかさどる肺を元気にする食材をとることで、秋の不調予防や美容対策つながることをご紹介してきました。

その一方、乾燥を強め、肺を傷めてしまう食材があります。

刺激が強く、辛い食材」は、肺を弱らせカラダを乾燥させてしまうので、秋にはできるだけ避けるようにしましょう。

 秋に避けたい食材

唐辛子、胡椒、ネギ、生姜、山椒、花椒、にんにく、シナモン

ただ、『涼燥』は冬に向けて寒くなりはじめるため、肺を温めるネギや生姜を少しずつ、使いわけていきます

ここまで秋薬膳の4つのポイントをみてきました。そのなかでも最も大切なのは、「乾燥対策」です!

乾燥はお肌や髪の潤いを奪ってしまうことに加え、カラダの不調も招きます。夏に失った水分をしっかり補給し、秋の乾燥に負けないカラダをつくるため、その日の体調や気候をみながら、カラダを潤し、肺を元気にする食材を選んで、ご自身の薬膳レシピを楽しんでみてください♪

国際薬膳師・松野志保さん

国際薬膳師・松野志保さんMeal Partner_Kokusai-Yakuzenshi

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資格:国際薬膳師。薬膳素材専門士。スポーツマネージメント修士号。
中学校時代に住んでいた香港の食ライフが記憶に深く刻まれ、中医学の世界に魅せられ、国際薬膳師の資格を取得。 季節の薬膳、美容薬膳のほか、キッズ薬膳やメンズ薬膳、世界の料理や日本の郷土料理の薬膳アレンジを得意とする。 現在は、薬膳の執筆・カウンセリング・ワークショップ・レッスンなどの活動を行っている。

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