甲州市や南アルプス市などでよくつくられる「枯露(ころ)柿」は、大きめの品種の柿を使った飴色の干し柿です。同じ干し柿でも水分が50%前後で柔らかいものは「あんぽ柿」、水分が25%から30%位で甘み成分が結晶化し白い粉が吹いてくるものを「枯露(ころ)柿」と呼んでおり、干す期間も長めです。「枯露(ころ)柿」の名前の由来は、天日で乾燥させるときに、皮をむいた柿を並べて実全体に太陽の日が当たるよう、ころころと位置を変えたことからといわれています。甲州市の松里地域では、大きな甲州百目柿がとれることから、昔から「枯露(ころ)柿」の名産地として知られ、11月から12月にかけて、民家の軒先にかかる柿の天日干しは、オレンジのカーテンとなり、秋の風情として人気です。
11月頃、熟して赤くなった柿を柄の部分をT字に残して収穫し、ヘタをとりのぞき、お尻の先端の皮のみ残して皮をむきます。可能ならカビ防止と、表面の渋のベタつきを落とすため熱湯にくぐらせます。ビニールひもは輪っかに結び、両端にT字の柄をかけて柿を結んで竿につるして軒先で天日干しします。柿を竿から下ろしてひもを除き、柄も剪定鋏で切り落として小判状にかたちをととのえます。あれば稲わらの間に包み、冷暗所において粉がふくまでねかせるのも良いです。おせち料理の「なます」に入れて「柿なます」にしたり、硬くなったものを天ぷらにすることもあります。