琉球菓子の魅力・種類-現代の沖縄に伝わる-【沖縄料理研究家コラム】

沖縄には昔から、伝統的なお菓子があります。定番菓子は、沖縄土産の定番チンスコウや、沖縄の行事に欠かせないサーターアンダギーがありますね。

これは、ごく一部で、沖縄県が独自の国だったころの琉球王国時代には、とてもたくさんのお菓子があり、文献に名前が載っているのは、なんと160種類もあるのです。

琉球菓子はとても伝統的なお菓子ですが、沖縄県民の方も知らない方が多く、少しでも知ってもらえるきっかけになればいいなと思い、今回は、沖縄の伝統的な琉球菓子の魅力、主な種類などをご紹介します。

 琉球菓子とは!?

琉球菓子とは、沖縄県が琉球王国だった頃、約450年間も続いた琉球王国時代に親しまれていたお菓子です。貿易の影響から、日本と中国の製造技術を取り入れ、琉球独自の琉球菓子が誕生しました他国の貿易の際のおもてなしや、献上品とされ、当時は、王様や貴族だけが食べられていた琉球菓子。

明治以降、一般庶民にも伝わり、現代へと伝わっています。琉球菓子について詳しく分かったのは、なんと!ここ数年なのです。琉球菓子の復元の背景には、一般社団法人琉球料理保存協会の理事長でもある安次富順子先生により、当時、料理人(包丁人)だった子孫の方からの聞き取りや、再現など長年にわたり研究され、現在に受け継がれています。

では、どんな種類があるのか、詳しくみてみましょう。

 琉球菓子の主な種類

琉球菓子は、琉球王国時代に王族を中心に食べられていたお菓子ですが、庶民に愛されていた菓子、現代の行事にも欠かせない菓子、現在も伝統を受け継ぎ作り続けている菓子などがあります。

今後、機会があったらぜひ食べてほしい♪そんなおススメな琉球菓子を一部ご紹介します。

 桔餅(キッパン、チッパン)

柑橘類のクニブ(九年母)や、カーブチーなどを砂糖で煮つめ、白い粉砂糖をまぶしたもの。ほろ苦く、柑橘系のさわやかな香りで上品な味わい。琉球菓子【鶏卵糕(チールンコウ)光餅(クンペン)などの】材料にもなっている菓子です。全て手作りで、とても手間がかかり完成までは4日かかるとのこと。現在、沖縄県内では一つの店舗のみでしか作られていない貴重なお菓子です。

 鶏卵(チールンコウ)

生地は小麦粉・卵・砂糖、さらに桔餅と食紅で赤く着色した落花生を混ぜて蒸したカステラのような伝統菓子。現在はフワフワ食感ですが、当時は、卵黄だけで作り、泡だて器がなかったので、すり鉢で空気を含ませて作られていました。そのため、現在よりも少し硬めな食感だったようです。ベースは、中国の蒸し菓子「鶏蛋糕(チータンカオ)」ですが、桔餅や落花生を加え琉球独自にアレンジした菓子です。現在の沖縄では、祝い菓子として親しまれています。

 光餅(クンペン)薫餅(コンペン) 

生地(小麦粉・卵黄・砂糖)に、胡麻あん(桔餅・黒胡麻・落花生・砂糖)を包み、丸く成形し焼いたお菓子です。黒ごまと落花生のあんが濃厚で上品な味わいです。現在ではお茶菓子や法事の御供え物など、沖縄県民に親しまれていますが、琉球王国時代では、献上品として用いられていた高級菓子。特に卵黄を使う光餅は、高級品とされ、貴族しか口にすることができませんでした。

いっぽう、庶民は卵黄と餡抜きで、黒糖を加えた焼き菓子タンナファクルーを代用して食されていました。光餅と見た目が似ていて、シンプルな焼き菓子ですが、どこか素朴で懐かしく優しい味わいで、現在でもスーパーで手軽に買えるお菓子です。

 巻き餅(チンビン)

小麦粉・もち粉・粉黒糖・ベーキングパウダーに水を加え混ぜ合わせ、油を敷いたフライパンで薄く焼き、冷めたら手前から巻いた菓子。モチモチ食感で、黒糖クレープのような味わい。現在の沖縄県では、旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に作られ行事食の1つですが、琉球王国時代では、薩摩(現在の鹿児島)の王様に献上したとの記録があり、伝統的な琉球菓子です。

いっぽう、小麦粉に水を加え混ぜ、油を敷いたフライパン薄く焼き、油味噌(アンダースー)を塗り巻いて食べるポーポーという菓子があります。見た目はチンビンに似ていて、中国から伝わった菓子といわれていますが、琉球王国時代の文献記録がないのですが、現在は、チンビンと同じく旧暦の5月4日に食べる沖縄では伝統的な行事食のひとつです。

 ちんす糕(チンスコウ)

小麦粉・ラード(豚の脂)・砂糖で作る焼き菓子です。沖縄の定番土産のチンスコウですが、琉球王国時代では、貴族しか食べられない貴重なお菓子でした。ラード入りなのでサクサクとしたクッキーのような食感です。当時は、菊の花型の大きな焼き菓子でしたが、戦後に細長い形へと変化しました。現在は、紅芋味・塩味・ゴーヤー味・ウコン味・チョコレートコーティングなど、いろいろな味が販売されています。

※写真は土産物のチンスコウです。根強いファンが多く、土産店では最前列に陳列されているのを見かけます。

 次世代に伝えたい琉球菓子文化

琉球王国時代に親しまれていた菓子を一部ご紹介しましたが、当時、王族が食べていたと思うと、とても味わい深いですね。また、沖縄県には、行事食餅文化があり、行事には欠かせない菓子類もたくさんあるのです。

ーー忘れかけている琉球菓子。
少しでも多くの方に知っていただき、次世代にも伝えたいと考えています。

なかなか沖縄旅行に行けない日々かと思いますが、通販で購入できるものや、沖縄県内のスーパーで手軽に購入できるもの、ご家庭で作れるものあるので、機会があったらぜひ食べてみてくださいね。

沖縄料理研究家・管理栄養士 宮澤かおるさん

関東と沖縄の両拠点で、「ぬちぐすい(食は命の薬)」をモットーに沖縄の食文化や沖縄食材を広める活動中。管理栄養士として、ジュニアアスリートの栄養カウンセリング、料理教室・大学での助手、病院栄養士(内分泌系栄養指導等)、食のコンサルティング会社(TV番組料理アシスタント、商品開発、腎臓病サイト監修等)を経験され、幅広い栄養管理の知見・実績を積む。

沖縄の先代が大切にしてきた食文化、沖縄島野菜、琉球王国時代の食を次世代に伝える!という想いで関東初の沖縄料理研究家として活動中です!
沖縄県内ホテル食部門アドバイザー、泡盛メーカーコラム担当等

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