丹沢大山国定公園に属する標高1,252メートルの大山では、丹沢山系の良質な水を生かした豆腐が特産品となっています。水分が多めでとてもやわらかく、あっさりした味わいが特徴。どんな食材とも合わせやすいため、地元の家庭ではさまざまな豆腐料理が食卓にのぼりますが、原点となるのは素材の味をそのまま楽しめる「冷奴」と「湯豆腐」でしょう。
大山は相模湾の水蒸気を受けて雨が降りやすい地形であるため、雨降山(あめふりやま)が転じて「阿夫利山(あふりやま)」とも呼ばれ、縄文の昔から霊山として信仰の対象とされてきました。江戸から関所を通らずに3~4日で往復できたことから、江戸時代には雨乞いや商売繁盛祈願のため多くの庶民が行楽を兼ねて大山詣りに訪れました。江戸の人口が100万人の頃、ひと夏に20万人もの参拝客が大山に足を運んだといいます。
大山の豆腐は、各地から奉納された大豆と地元の清水を利用して作ったのが始まり。その昔、暑い夏の盛りに大山を訪れた参拝客は手のひらに乗せた豆腐をすすりながら歩いたという逸話が残っています。周辺の宿でも参拝客に豆腐料理が振る舞われて大変喜ばれ、やがて地域の名物として定着しました。
郷土・地域別
大山の豆腐料理(おおやまのとうふりょうり)*郷土料理<神奈川県レシピ>
材料(3人分)
- 材料
- 分量
- 豆腐
- 1丁
- ゆずみそ、胡麻みそ(作り方は下記参照)
- 適量
手順一覧
- 1
できたての大山豆腐を使わず、一晩冷蔵庫で寝かせる(2~3日寝かす場合もある)。とうふを布巾に包み、重しで押さえ、一晩水きりをする。※時間がない時は2時間以上で可。
- 2
豆腐の端を切り落し、1丁を6等分に切り分け、竹串をさす。
- 3
金網にアルミホイルを敷いて、断面を上にして並べ、火にかける。
- 4
少し膨らんできたらひっくり返す。片面約4分くらい(気持ち焦げ目をつける)。
- 5
両面が程よく焼けたら、みそを塗り、みそがふつふつとする頃合いまであぶると完成。皿に2串ずつ盛り付ける。
ゆずみその材料
- 材料
- 分量
- ゆず
- 1個
- 砂糖
- 90g
- みそ(砂糖と味噌の対比は 2:1)
- 45g
- 酒
- 適量
手順一覧
- 1
ゆずを刻み、砂糖、みそで練り、酒を少しずつ足し、程よくのばす。
胡麻みその材料
- 材料
- 分量
- 練り胡麻
- 15g
- みそ
- 100g
- 砂糖
- 200g
- 酒
- 適量
手順一覧
- 1
練り胡麻に、砂糖、みそを加え練り、酒で程よくのばす。
レシピ提供元名 : お食事処 かんき楼
出典:うちの郷土料理[農林水産省]より(株)インフィニティラボ作成