千葉県では野菜がたくさん採れることから、それを砂糖で煮て長期保存が可能なお菓子にしたものが「てんもんどう」です。「てんもんどう」とは、もともとユリ科のクサスギカズラの塊茎を湯通しし外皮を去って乾燥した漢方薬のことであり、これを蜂蜜で1ヵ月~2ヵ月漬けたものを、咳止めや滋養強壮作用を期待して服用したことから、その名前の由来になったといわれます。
柑橘類や根しょうがを蜜で煮て乾燥させたものが主でしたが、時代とともに様々な野菜が使われるようになりました。
ごぼうやれんこんのように、繊維の多いものは薄く切って 1回ゆでます。そして、アクがあるものはゆでこぼして、砂糖を入れてゆっくり煮詰めます。これをたくさんつくり、大きな缶に入れて保存し、農繁期には田畑作業のおやつにしてエネルギー源にしていたといわれます。防腐剤を使わなくても10 ヵ月ほど保存が可能な為、農民の間で保存食として広く親しまれてきました。

材料となる物をそれぞれ下処理をし、アクのあるものはアク抜きをし、硬いものはゆでます。水と砂糖で煮詰め、仕上げに砂糖をまぶして乾燥させます。

材料

材料
分量
【ごぼうのてんもんどう】ごぼう
1kg
【ごぼうのてんもんどう】みょうばん
大さじ1
【ごぼうのてんもんどう】砂糖
1kg
【人参のてんもんどう】人参
100g
【人参のてんもんどう】砂糖
100g
【人参のてんもんどう】塩
少々
【人参のてんもんどう】片栗粉
少々
【夏みかんのてんもんどう】夏みかんの皮
3個分
【夏みかんのてんもんどう】砂糖
500g
【夏みかんのてんもんどう】酢
少々
【しょうがのてんもんどう】しょうが(10月上旬に収穫したものが柔らかく、辛味も少ないので適している)
1kg
【しょうがのてんもんどう】砂糖
1kg

手順一覧

1

【ごぼうのてんもんどう】
(1)ごぼうは、5cm位の千切り、3時間位みょうばんに浸し、アク抜きする。
(2)さっとゆでてよく水切りする。
(3)ごぼうと砂糖を合わせ、蓋をしないで煮しめる。飴状になったら火からおろし、よくかき混ぜて冷ます。

2

【人参のてんもんどう】
(1)人参は千切りにして、砂糖と塩少々入れてこげないように煮る。
(2)汁気がなくなったら、手早く広げて冷ます。
(3)砂糖に片栗粉を入れ(2)の冷ました人参を入れてまぶす。

3

【夏みかんのてんもんどう】
(1)夏みかんの皮は、中の白いところを薄くはぎ取り、千切りにする。
(2)酢水に一晩つけてアク抜きをする。
(3)水を加えて、皮が柔らかくなるまで煮る。
(4)煮えたら水をすて、砂糖を加えさらに煮る。(煮立ったら弱火にする)
(5)カニ泡になるまで煮つめて、最後に弱火にし砂糖をまぶしてできあがり。

4

【しょうがのてんもんどう】
(1)しょうがを薄く切り、一晩水に浸け、アク抜きをする。
(2)(1)のしょうがの水気をよく切る。
(3)鍋に水気を切ったしょうがと砂糖(850~900g)を入れ強火で煮つめる。
(4)飴の状態になったら弱火にし、こがさないようにさらに煮つめる。
(5)鍋にざらめのようについてきたら火からおろし、厚手の紙の上に広げた残りの砂糖(100~150g)の上にあけ手早くかき混ぜ広げたまま冷ましておく。

レシピ提供元名 : 「房総のふるさと料理」(農業千葉刊行部)
出典:うちの郷土料理[農林水産省]より(株)インフィニティラボ作成

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