千葉県では野菜がたくさん採れることから、それを砂糖で煮て長期保存が可能なお菓子にしたものが「てんもんどう」です。「てんもんどう」とは、もともとユリ科のクサスギカズラの塊茎を湯通しし外皮を去って乾燥した漢方薬のことであり、これを蜂蜜で1ヵ月~2ヵ月漬けたものを、咳止めや滋養強壮作用を期待して服用したことから、その名前の由来になったといわれます。
柑橘類や根しょうがを蜜で煮て乾燥させたものが主でしたが、時代とともに様々な野菜が使われるようになりました。
ごぼうやれんこんのように、繊維の多いものは薄く切って 1回ゆでます。そして、アクがあるものはゆでこぼして、砂糖を入れてゆっくり煮詰めます。これをたくさんつくり、大きな缶に入れて保存し、農繁期には田畑作業のおやつにしてエネルギー源にしていたといわれます。防腐剤を使わなくても10 ヵ月ほど保存が可能な為、農民の間で保存食として広く親しまれてきました。
材料となる物をそれぞれ下処理をし、アクのあるものはアク抜きをし、硬いものはゆでます。水と砂糖で煮詰め、仕上げに砂糖をまぶして乾燥させます。