つらい冷え性と血行不良に効果的な食材・食事方法【薬剤師コラム】

~冷え性は血液ドロドロのサインかも?!~

1年の中でも最も寒いと言われる2月。つらい冷え性に悩む方も多いのではないでしょうか。昔から「冷えは万病のもと」と言われるように、免疫力の低下を招く原因になります。そんな寒い季節を乗り越えるために、『冷え性に効果的な食材・食事方法』についてご紹介させていただきます。

 冷えと血液の関係

体が冷えると免疫細胞が働きにくくなり、免疫力の低下を招いてしまいます。

冷え性の原因

そんな冷え性の原因は、運動不足筋力の低下鉄分の不足ストレスや自律神経の乱れなど様々ですが、血液の状態(ドロドロ血液)も冷えに関係します。

どれだけ運動しても、身体を温める食材を食べても、肝心の血液がドロドロだと、全身をうまく巡ることができません。
また、血液がうまく巡らないと、身体が冷えるだけでなく、細胞に酸素や栄養が行き渡らず、老廃物を回収することができないため、血液の質がどんどん悪くなってしまいます。

 血液に良くない食事

これだけはおさえておきたい!血液に良くない食事習慣チェックポイント

血液がドロドロになる食事をしていませんか?
✓いつも満腹になるまでたっぷり食べてしまう
✓間食でお菓子や甘いものをよく食べる
✓お酒が大好きでいつも飲みすぎてしまう
✓揚げ物などの脂っこいものをよく食べる
✓ごはん、パン、麺類など炭水化物に偏った食事が多い
✓夜遅い時間に夕食を摂ることが多い

 摂りすぎると血液に良くない食べ物

摂りすぎると血液に良くない代表的な食べ物をご説明します。

 ①添加物(甘味料など)や糖分を多く含む食品

甘味料に含まれる果糖は体内で過剰になると中性脂肪となり体内に蓄積されます。また身体にとって不要な添加物は、内臓に負担がかかり、処理するのに多くの血液を必要とするため、血液が末端まで届きにくく冷えやすい身体の原因となります。

 ②飽和脂肪酸を多く含む肉類

肉類に多く含まれる飽和脂肪酸は、常温で固体のものが多いため、寒い冬に血中で飽和脂肪酸の濃度が高くなると血液がドロドロになってしまいます。

 ③塩分の高いもの

血液中の塩分が高いと、身体がその濃度を下げようとして、血液中に多くの水が溜め込まれ、血液がうっ滞=むくみにつながります。

 ④トランス脂肪酸

原材料表記でマーガリン、ショートニング、ファットスプレッドと記載のあるトランス脂肪酸は、血中の悪玉コレステロールを増加させることが知られています。悪玉コレステロールが増えると、血液が粘り気をもち流れにくくなってしまいます。


 血液をサラサラにする食材

冷え性の要因となるドロドロ血液を防ぎ、サラサラ血液にしてくれる食材をご説明します。

食物繊維を含む食材

〇代表的なおすすめ食材・・・山芋、納豆、なめこなどのネバネバ食材、わかめなどの海藻類
「特に水溶性の食物繊維には、血中のコレステロールの吸収を抑制する働きがあります。」

抗酸化作用のある食材

〇代表的なおすすめ食材・・・人参、青菜、ブロッコリーなど
「色の濃い野菜などに含まれる抗酸化物質は、血管にコレステロールが沈着するのを防ぐ働きがあります。」

良質なたんぱく質を含む食材

〇代表的なおすすめ食材・・・魚介、大豆製品など
「低脂肪で高たんぱくな食材、特に青魚に含まれるオメガ3は血液をサラサラにする効果も期待できるので、積極的に摂るようにしましょう。」

硫酸アリルを含む食材

〇代表的なおすすめ食材・・・たまねぎ
「硫酸アリルは、コレステロールの代謝を促進するため、血液をサラサラにする効果が期待できます。硫酸アリルは、熱に弱いため新玉ねぎを生の状態で食べるのが一番栄養効果が高くなります。」

クエン酸を含む食材

〇代表的なおすすめ食材・・・お酢
「お酢に含まれるクエン酸には、血液が固まってしまうのを防ぎ、血液をサラサラにする働きがあります。」

 血液をサラサラにする食事のポイント

血液をサラサラにするための調理・食事のポイントをご説明します。冷え性や血行不良で悩んでいる方は、食習慣の見直しに参考にしていただけたらと思います。

   料理で使用する油を減らす

炒めるのではなく、オーブンでグリルする、煮る、蒸すなど、油を使わない調理法を活用する。

   旨味を味方につけ調味料はシンプルに!

だしを効かせることで、ソースやマヨネーズ、バターなどの調味料を控えながら、美味しいおかずをつくる。

   間食対策は、ご飯をしっかり食べていることがカギ

1日の摂取カロリーが過剰にならないように、ご飯は1食あたり150g~160gに。

1食あたりの糖質量が少なすぎると、間食に甘いものが食べたくなるので、毎食ごとにしっかりごはんを食べるということが大切です

 終わりに

“血液がドロドロ”と聞くと、動脈硬化などの生活習慣病をイメージすることが多いかもしれませんが、実は冷えと密接に関係があります。

暖房や厚着などで一時的に身体を暖めたとしても、根本の血液の状態が悪いと、またすぐに冷えてしまいます。気になるポイントがあれば、一つずつ実践していきましょう。

食事はメリハリとバランスがとても大切です。脂っこいもの・甘いものは絶対ダメ!!というわけではなく、食べ過ぎや偏りすぎに気をつけ、楽しみながら健康によい習慣を取り入れてみてください。


   冷え性におすすめのレシピ

冷え性対策に、身体を内側から温めポカポカになる薬膳スープを是非、お試しください。


その他、栄養カウンセリングをしていると「貧血」に関する相談も多く寄せられます。以下コラムでは、女性の不定愁訴と関連性が高い『隠れ貧血』と食事改善のポイントをご説明しています。貧血に悩まれている方は、参考にしてみてくださいね。

薬剤師-栄養カウンセラー・冨尾ありささん

薬剤師-栄養カウンセラー・冨尾ありささん(一社)インナービューティープランナ-

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薬剤師の経験と栄養の知識を通じて「共働きのお母さんの幸せを叶える」ことをミッションに活動。
薬学と栄養学で顧客の美容・健康計画を叶えるだけでなく、調和のとれた豊かな暮らしをサポートする起業支援に従事。単なる起業支援ではなく、「魅力的に年を重ねるライフスタイル」をトータルサポートしている。
フルタイム勤務しながらフリーの仕事である料理教室・栄養セミナー受講者は1年で600人、カウンセリング薬局のべ5000人

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