近年、発酵ブームで有名になった『塩こうじ』、『醤油こうじ』、『甘酒』などの発酵調味料を健康のために活用されている方も多いのではないでしょうか。実は、この発酵調味料は子どもにとっても良いこと尽くしの調味料なのです。
本コラムでは発酵調味料が子どもにとってどんなメリットがあるのか、子どものための発酵調味料の使い方についてご紹介させていただきます。
3歳までの食経験の重要性
人の腸内細菌叢※(=腸内フローラ)は、生後2か月~1歳3か月に著しく変化し、3歳で9割が決定すると言われています。この3歳ごろまでに確立される腸内細菌が、生涯にわたる健康状態、病気になりやすさ、病気になった時の体の反応などの基本パターンを決定するわけです。
また、味覚は3歳までにほぼ決まり、8歳までに完成すると言われています。子どもの味覚は大人の3倍も敏感であるため、この時期にしっかり素材の味や出汁の旨味を覚えさせてあげたいものですね。
腸内細菌は3歳ごろまでに確立され、味覚は3歳までにほぼ決まり、8歳までに完成する!
腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)=腸内フローラ
腸内で一定のバランスを保ちながら共存している多種多様な腸内細菌の集まりのこと。
発酵調味料が子どもにもたらす5つのメリット
―発酵調味料がもたらす効用―
◆やりたいことを思いっきり楽しむ元気!
◆ここぞ!というときにしっかりのめり込む集中力!
◆自分の魅力に自信が持てる自己感!
発酵調味料を使った料理の食事は、こどもたちが「やりたいことを思いっきり楽しむ元気!」「ここぞ!というときにしっかりのめり込む集中力!」「自分の魅力に自信が持てる自己感!」に繋がります。
それでは、発酵調味料がもつ効果が、子どもにもたらす5つのメリットをご説明していきます。
①腸内環境を整える
発酵調味料には発酵菌が含まれており、腸内の善玉菌※を直接増やす役割があります。
免疫力を高めたり消化吸収のサポートなど身体の健康維持に貢献する菌。
代表的な菌はビフィズス菌、乳酸菌などがあります。
②消化吸収を助ける(お肉を柔らかくする)
子どもの消化器官系は大人に比べるとまだまだ未熟です。
特に、お肉などのタンパク質や脂っこいものは、内臓へ負担がかかり、消化にも時間がかかりますが、発酵調味料と組み合わせることで、消化しやすい物質へと分解され、消化を助けてくれます。
③素材の旨味を引き立てることができる
発酵調味料が素材に働きかけることで、素材本来のもつ甘味・旨味がアップし、深い味わいを感じることができます。
このことから化学調味料を使わずシンプルな味付けでも、子どもがやみつきになる味を引き出すことができます。
④免疫力をアップすることができる
免疫細胞は腸に70%存在しており、発酵調味料に含まれる麹菌は、体内に取り込まれて小腸壁を通るときに免疫細胞を活性化する作用があります。
発酵調味料を日々摂り続けることで、アトピーや花粉症などのアレルギー性疾患や感染症、生活習慣病の予防に繋がります。
⑤子どものもつパフォーマンスを最大に発揮することができる
腸は第二の脳と呼ばれており、脳と腸が密接に影響を与えることを脳腸相関といいます。
腸では「心」をつくるための大切なホルモンである「セロトニン」が90%存在しています。このセロトニンは、別名「幸せホルモン」と呼ばれ、しっかり産生されることで、自己肯定感を高めることができます。
つまり、発酵調味料で腸を整えることで「心」を整えることができるのです。
子どものための発酵調味料の使い方
発酵調味料は、離乳食中期の7~8ヶ月から使うことができます。
子どものための発酵調味料の使い方・ポイントをご紹介します。子どもの成長のため、楽しんでお料理にお役立て下さい。
①お肉などのタンパク質と発酵調味料を掛け合わせて、やわらかくする。
【タンパク質100gに対して、1割の発酵調味料】が目安です。
タンパク質と反応させるときは、できれば1晩漬け込みましょう。時間がないときは10分でも、反応させることが大切です。
お子さんがまだ小さく塩分量が気になる場合は甘酒を使用したり、調理前に使用した塩こうじや醤油こうじをぬぐうこともおすすめです。
②お野菜をゆでるとき、蒸すときに塩こうじを使用する
野菜をゆでたり、蒸す際に、『塩こうじ』を使用することで、野菜本来の甘味と旨味を引き立たせます。
③スープの味付けに活用する
スープの味付けに発酵調味料を活用することで、味に深みがでるだけでなく、レパートリーのマンネリの脱却にもなります。
それぞれ単体で使うこともおすすめですが、『塩こうじ×醤油こうじ』、『醤油こうじ×甘酒』など掛け合わせることで、美味しさも栄養価もアップします。
④既存の調味料から置き換える
既存の調味料から、発酵調味料に置き換えて活用する場合は、以下のパターンと分量を目安にしてみてください。
塩こうじは、塩の5分の1の塩分量であり、塩と置き換える場合は2倍量の塩こうじを使用します。
2倍量だと、全体の塩分濃度は低くなりますが、旨味が増すため、減塩でも美味しく仕上がります。
醤油こうじは、醤油の約半分の塩分量であり、醤油と置き換える場合は同量の醤油こうじを使用します。
うまみ成分が塩麴の10倍あり、旨味やコクを引き出すことができます。
「飲む点滴」と言われている甘酒。
栄養価が高く、塩分量も気にしなくていいため、ぜひ、低月齢から摂取していただきたい発酵調味料です。
甘酒は、砂糖の3分の1の糖質量であり、砂糖と置き換える場合は2倍量の甘酒を使用します。
他の発酵調味料に比べ、腸内環境を整えるオリゴ糖と体の中でエネルギーを産生するビタミンB群が豊富に含まれているのが特徴で、腸活・代謝機能アップ・疲労回復につながります。
終わりに
本コラムでは、子どものための発酵調味料、『塩こうじ』、『醤油こうじ』、『甘酒』の使い方をご紹介しました。
発酵調味料は大人だけでなく子どもにとっても嬉しい効果がたくさん詰まっています。特にいろんな菌にふれることでつくられる腸内フローラは、子どものときにしっかりと土台をつくってあげたいものです。ぜひ、家族みなさんで発行でHAPPYな暮らしをお過ごしください。
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