【腸活コラム】赤ちゃんの腸のベースをつくる4つのポイント

「腸活」と聞くと、美肌やダイエット目的など女性のイメージが強いかもしれません。しかし腸活は、女性・男性または、大人・子供関わらず、どの年齢においても、いきいきと過ごすための基盤となります。

子どもの腸内細菌叢*は3歳までに9割決まるといわれています。
その中でも乳児期は、ヨーグルトや納豆などの発酵食品や食材に含まれる食物繊維を大人と同じように消化吸収することが難しいため、本コラムでは、赤ちゃんの腸のベースをつくる4つのポイントついてご紹介させていただきます。

*腸内細菌叢

腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)=腸内フローラ
腸内で一定のバランスを保ちながら共存している多種多様な腸内細菌の集まりのこと。

 <赤ちゃんは無菌で生まれてくる>

赤ちゃんはお腹の中にいるときには、無菌状態です。
おんぎゃー!と誕生したときに初めて様々な菌に触れます。

特に経膣分娩では、お母さんの腸内細菌に触れて産まれてくるため、妊娠中のお母さんの腸内環境が大きく影響します。ここで帝王切開だったら、いい腸内細菌を子どもに受け継ぐことはできないのか?と不安になるお母さんもいるかもしれませんが、安心してください。

赤ちゃんの腸内細菌叢は、生後2ヶ月~1歳3ヶ月に著しく変化し、3歳で9割が決定すると言われています。

赤ちゃんの腸は、分娩方法、母乳やミルクだけではなく、身の回りにいる常在菌の影響も受けることで、腸内細菌叢が発達します。

赤ちゃんが、一番長く接するお母さんの常在菌が良好な状態であれば、赤ちゃんの腸内細菌叢を育てることに繋がります。

赤ちゃんと過ごす家族みんなで楽しみながら腸活を取り入れてみてくださいね。

 <腸のベースをつくる4つのポイント>

それでは、赤ちゃんの腸を育てるための大切な4つのポイントについてご紹介いたします。

 - water –

人間の60~70%は水でできています。

『新生児の場合は約80%』、『乳幼児では約70%』が水です。

赤ちゃんの内臓は、まだ成長途中であるため、大人と同じように消化吸収することができません。水選びを誤ると、内臓に負担がかかることもあります。

赤ちゃんのための上手な水選び

硬水は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を多く含むため、赤ちゃんの内臓にとってはストレスになってしましますので『軟水』がおすすめです。

 - oil –

細胞膜や臓器は油でできています。
乳幼児期に著しく発達する脳の65%は油で、できています。

そして腸の粘膜細胞も新陳代謝が高く、食べたものの影響を受けやすい臓器です。

油にも様々な種類があり、オメガ6は固い細胞膜(細胞膜の流動性を下げる)を形成します。
一方、オメガ3は柔軟な細胞膜の形成(細胞膜の流動性を高める)に寄与します。

この2つの油はバランスが重要で、オメガ6:オメガ3=4:1が理想の割合です。

オメガ6は様々な食材に含まれているため、意識していないと、どうしてもオメガ6過多になってしまいます。オメガ6が過多になると、腸の粘膜が固くなり消化吸収機能や免疫機能の働きが悪くなることも。

乳児期からのオメガ3の摂り入れ方

・オメガ3であるDHA/EPAを含む粉ミルクを選ぶ。
・お母さん自身がオメガ3を意識して摂取する。(魚、亜麻仁油、えごま油など)
・離乳食で、段階に応じて魚を選ぶ。

5~6ヶ月

fish

しらす、鯛、ひらめ

7~8ヶ月

fish

鮭、まぐろ、かつお

9~11ヶ月

fish

あじ、いわし、さんま

アレルギーに注意しながら、一番最初に食べるときは少量・単品から始めてみましょう。

 - salt –

塩は、ナトリウムなどのミネラル分を含み、腸の細胞が正常に機能するために重要な栄養素です。細胞を健やかに保つためや、体を動かす電気信号を伝える働き、消化液の材料、体温調節など様々な機能に寄与しています。

食材自体に塩気のあるものもあり、塩で味付けするときは、使用量に注意が必要です

WHO(世界保健機関)では、乳児期は塩分濃度が0.5%以下になるように味つけをすることが推奨されています。

食材の塩分を加味すると、1食あたり0.05g程度(少々よりも少ないごく少量)や醤油や味噌の場合は1g以下から使い、「味をつける」というよりも「素材の味を引き立てる」「おいしさを引き立てる」ために使いましょう。

どんな塩を選べばいいのか?

おすすめの塩の選び方は、製造過程で化学加工されていない、天日干しや平窯製法などがよいでしょう。

呼吸 - breathing –

呼吸は生きる基本で、すべて呼吸から始まります。

本来「鼻」は呼吸するところ「口」は食事をするところです。
「口」から呼吸を続けてしまうと、ウイルスや菌、ゴミや冷気が入り、腸管免疫の低下にもつながります。

大人でも口呼吸で悩んでいる人は多くいますが、大人になってから口呼吸を治すのはとても大変です。

口呼吸の原因は子どもの頃にあるため、赤ちゃんの時期からしっかり鼻呼吸を癖づけることが重要です。

赤ちゃんの口呼吸予防方法

・横抱きをするときに、頭が下がって口がポカンと開かないように注意する。
・鼻づまりなどの鼻疾患が出たら早めに対応する。
・噛む習慣を身に着け口の周りの筋肉を鍛える。

 終わりに

赤ちゃんの腸のベースをつくる4つのポイントについてご紹介させていただきました。

呼吸、もちろん赤ちゃんだけでなく大人にとっても重要なポイントです。

毎日使うものだからこそ、からだに与える影響は大きいものです。ぜひ、この機会に4つのポイントに意識を向けてみてくださいね。


共働きの家庭が増え、家族全員で食卓を囲むことがなかなか難しい現代。
一方で、食を通じて子どもの自己肯定感を高めることができれば、その子の人生が豊かになるだけではなく、親御さんも子どもの成長に大きな幸せを感じることに繋がります。
以下『子どもの心を豊かにする食卓とは』の食コラムもご参考になれば幸いです。

薬剤師-栄養カウンセラー・冨尾ありささん

薬剤師-栄養カウンセラー・冨尾ありささん(一社)インナービューティープランナ-

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薬剤師の経験と栄養の知識を通じて「共働きのお母さんの幸せを叶える」ことをミッションに活動。
薬学と栄養学で顧客の美容・健康計画を叶えるだけでなく、調和のとれた豊かな暮らしをサポートする起業支援に従事。単なる起業支援ではなく、「魅力的に年を重ねるライフスタイル」をトータルサポートしている。
フルタイム勤務しながらフリーの仕事である料理教室・栄養セミナー受講者は1年で600人、カウンセリング薬局のべ5000人

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