明治時代末ごろから十勝地方では養豚業がはじまり、豚肉が食べ親しまれてきました。養豚業が盛んであった十勝地方の帯広市が「豚丼」発祥の地といわれています。厚切りの豚肉を砂糖醤油で味付けしたタレでからめ、ごはんの上にのせた「豚丼」は帯広市の名物料理となっています。
昭和初期に帯広市内の食堂で、炭火焼きした豚肉にうなぎの蒲焼き風のタレを使用した丼をつくったのが「豚丼」の発祥といわれています。当初は、農家や開拓者が汗を流し働く姿を見て、スタミナ料理を提供したいと思い、食材にうなぎを使おうと考えたものの、うなぎは高価で手に入りにくい事情がありました。そこで目を付けたのが、豚肉。当時は、十勝地方では養豚業が盛んにおこなわれていたこともあって、豚肉は身近で手に入りやすかったといいます。こうして帯広の地で誕生した「豚丼」は、いまでは全国でも知られるほど有名となりました。
タレは、お気に入りの醤油に、砂糖、出汁、みりん、オリゴ糖などをあわせて各家庭の好みの味に仕上げることも多いです。炭火で焼くとより一層香ばしくいただけますよ。