みなさんは、災害が起こった際に生じる可能性の高い「ガス・電気・水道」などのライフラインがストップした時の備えはできていますか?これらは復旧までに時間がかかることもあります。
普段当たり前に使っている「ガス・電気・水道」ですが、災害時には、3つのうちどれかが使えたり、全て使えなかったりと状況は様々です。いざという時に困ることのないように日頃から準備をしっかりしておきたいですね。
しかし、普段当たり前に使っているからこそ、使えなくなった時にどんなことに困るのか、不便なのかを想像しにくいものです。
今回は食事に焦点を当て、「準備しようと考えているが何を揃えればいいか分からない」「非常食とはどんなものがあるのか知りたい」「揃えたのはいいものの、実際に災害が起こったときにどう活用すればいいか分からない」という方向けに、事前に準備しておきたい食材や食材を活用したレシピをご紹介します。
備えておきたい食材の3つのポイント
備えておきたい食材の3つのポイントは、以下です。
1.常温で保存できる
2.非加熱で食べることができ、衛生面で安心できる
3.下ごしらえなどが必要ない、または簡単な食材
備えておきたい食材
缶詰
鯖缶、いわし缶、焼き鳥缶、コーンビーフ缶、大豆・ミックスビーンズ缶、コーン缶、フルーツ缶など
乾物
乾燥きのこ・海藻類、切り干し大根など
レトルト食品
カレー、シチュー、スープ、ソースなど
※加熱後包装のものを選択すると便利です。
常温で保存できる食材
魚肉ソーセージ、豆乳、米、パン、麺、ホットケーキミックスなど
非常食を活用したアレンジレシピ
火を使わないレシピ:ツナのサンドイッチ(2人分)
食パン:4枚、ツナ缶(水煮/油漬け):2缶、マヨネーズ(小袋12g入り):2袋、塩胡椒:少々、レタス:2枚
1.ポリ袋にツナ缶、マヨネーズ、塩胡椒を入れてもむように混ぜる。袋の端をキッチンバサミで切る。
2.食パン1枚に1.のツナマヨを半量絞り出し、レタス1枚をちぎりながらのせる。もう1枚の食パン
◆レシピのポイント◆
(1)食パンが水分を吸ってくれるので、ツナ缶の缶汁は切っても切らなくてもお作りいただけます。状況に応じて使用しましょう。
(2)マヨネーズは一度開封した後は冷蔵庫で保存するのが好ましいですが、小袋タイプを常備しておくと便利です。調味料としての活用だけでなく、エネルギー源にもなります。
(3)レタスは包丁を使わずに手でちぎることができるので、調理しやすい野菜のひとつです。
(4)ツナマヨを作るときはポリ袋に入れて作り、そのまま絞り出すことで洗い物と手間を省きました。他にも、ボウルにラップを被せて混ぜることで洗い物が少なくすることができます。
(5)ツナ缶を焼き鳥缶にすると照り焼き風の味わいになります。お好みでアレンジしてお試しください
水を使わないレシピ:コーンビーフとコーンのトマトピラフ(4人分)
無洗米:2合、コーンビーフ缶:2缶、スイートコーンパウチ:1袋(50g)、トマトジュース:2パック(400mL)、顆粒コンソメ:2袋(9g)、塩胡椒:少々、オリーブオイル:大さじ1
1.アルミ鍋(※)にオリーブオイル、無洗米を入れて弱火で熱し、米が透き通るまで炒める。
※100円ショップ等に使い捨てのアルミ鍋が売っています。
2.コーンビーフ、コーン、トマトジュース、コンソメ、塩胡椒を入れて中火で熱し、沸騰したらふたをして弱火で15分ほど米が軟らかくなるまで加熱する。
3.全体を混ぜる。
◆レシピのポイント◆
(1)トマトジュースの水分で米を炊き、貴重な水を使わずにできるレシピです。
(2)鍋はアルミ鍋を活用し、鍋を洗うために必要な水を削減できるレシピになっています。アルミ鍋は直火に対応しているものを使用しましょう。ふたもアルミホイルで代用することができます。
(3)米は無洗米を使用し、米を研ぐ用の水も削減しています。常備する際は無洗米がおすすめで、事前に家族の人数に合わせて一食分の量を計って小分けにしておくと便利です。
(4)災害時はカセットコンロがあると重宝します。場所も取らず、移動もできるので常備しておきましょう。
(5)今回はパウチのものやパックのものを中心に活用したレシピになっています。缶よりパックの方が軽く、ゴミもかさばりにくいのでおすすめです。ハサミを使わずに開封できるものを選択するのも良いでしょう。
まとめ
いつ起きるか分からない災害。
だからこそ油断してしまい「いつか準備しよう」と思いがちですが、今回お伝えした食品は災害時だけでなく日常の食事でも活用できるものばかりなので、次回から買い物をする時などに少しずつでも揃えていくといいでしょう。家族で非常食を揃える日を設定しておくのもおすすめです。
今回はエネルギー源にもなり、タンパク質も摂ることのできる主食のレシピをご紹介しました。災害時は体力だけでなく心にもダメージを受けやすいため、手軽に食べられる甘いおやつなどを準備しておくのもいいでしょう。心がホッと和むと同時に、エネルギー源にもなります。
一度非常食を集めた方も、期限が切れている場合もあるのでぜひこの機会に見直してみるのもおすすめです。
◆ご参考コラム◆
『非常食にもなり日常食としても使える食品紹介【管理栄養士コラム】』もご参考頂ければと思います。
◆非常時・保存食レシピ◆
災害時の食やレシピ、栄養の取り方、保存食・備蓄用食料の活用まで、本カテゴリーで情報発信いたします。お役立て頂ければと思います。
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