発酵パワーで腸活!新常識!発酵食品の効果と取り入れ方【薬剤師コラム】

年々高まる健康意識に伴い、「腸活」や「菌活・育菌」という言葉が一般的になってきました。
新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、「発酵食品」が「免疫力UPにいい」という情報から、一時、スーパーでは、納豆やヨーグルトが売り切れになったところもあるようです。
今回はこの「発酵食品」による「腸活」の効果や効果的な取り入れ方についてご紹介させていただきます。

発酵食品とは、食材に含まれるタンパク質や糖質などの栄養素を、微生物が分解し、アミノ酸、ブドウ糖、アルコール、乳酸などが生成された食品を指します。
 『発酵とは、人間にとっていい影響を与える微生物の力です。』
微生物の力により、元の食材にはなかった、より深い旨み(アミノ酸)や甘み(ブドウ糖)を感じたり、保存性を高めることができます。

  発酵食品の種類

発酵食品には様々な種類がありますが、微生物が働きかける食材によって大きく分類することができます。

   1.米の発酵食品

日本酒、本みりん、お酢、塩麹、醤油麹、麹甘酒など

   2.乳製品の発酵食品

ヨーグルト、チーズ、バターなど

   3.大豆の発酵食品

醤油、味噌、納豆など

   4.野菜の発酵食品

ぬか漬け、たくあん、キムチ、ピクルスなど

   5.肉・魚の発酵食品

鰹節、アンチョビ、生ハムなど

このように様々な種類がありますが、米や大豆の発酵食品は、古くから日本の風土で育っているため、より日本人に合った菌を摂取できると言われています。
このことから、日本人に馴染み深い和食は、味噌や醤油などが活用されているため、ただ健康に良いだけではなく、腸内環境を整えるためにとても良いとされています。

 発酵食品の効果
   1.消化・吸収を助ける

発酵食品に含まれる微生物が、タンパク質や糖質を分解するため、栄養素を吸収しやすくなります。
本来の人間の消化機能でも、タンパク質や糖質を分解できますが、全て分解されるわけではありません。分解しきれなかったものは、そのまま便となって流れ出るか過剰なものは腸に長く滞在し、腐敗することで有害物質や便臭の原因となる物質を発生してしまいます。
胃腸の負担を助けるためにも、タンパク質や糖質と発酵食品をセットでとることで栄養素の吸収・消化を助けてくれます。

   2.保存性を上げる

発酵菌が働いていると、腐敗菌の働きが抑えられるため、腐りにくく保存性が高まります。

   3.旨味や甘みがアップする

タンパク質をアミノ酸(旨味成分)に、糖質をブドウ糖(甘味成分)に分解する作用があるため、発酵調味料を活用することで、元の食材にはなかった、旨味や甘みがアップします。

   4.腸内環境を整える

発酵食品に含まれる発酵菌は、直接善玉菌を活性化する作用があります。
発酵食品に含まれる酵素や乳酸菌は、熱に弱いので、効果を十分に出したい場合は、加熱しないのが一番です。ただし、加熱しても死菌となり、それが腸に運ばれると、善玉菌のエサになり、間接的に腸内環境をよくする働きがありますので、お料理のレパートリーを楽しみながら取り入れましょう。

 腸内環境が整うことで得られる効果

発酵食品が腸内環境を整えることで、健康・美容に嬉しい効果がたくさんあります。

   1.免疫力の向上

腸には免疫細胞の70%が存在します。
腸にバリア機能があるため、病原菌などの有害物質をそのまま取り込まれないように防御してくれます。風邪や病気にかかりにくくするためにも、腸内環境を整えることが、免疫力アップのカギとなります。

   2.花粉症やアトピー性皮膚炎の緩和

腸内環境が悪化すると、免疫細胞が減少し、アレルギー症状や自己免疫疾患の引き金になることがわかっています。
栄養療法を行う病院では、花粉症やアトピー性皮膚炎などの疾患に、整腸剤を処方するところもあるほど、腸内環境とアレルギー症状には密接な関係があります。

   3.うつ症状の改善

セロトニン(幸福ホルモン)の90%は腸で生成されています。
また、腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、たくさんの神経がはりめぐらされています。脳腸相関といい、「脳」と連絡をとりながら、自律神経にも影響を与えます。
「最近、落ち込みやすくなった」「朝起きるのが辛い」などの症状があるときは、お食事や便の状態を見直してみましょう。  

   4.生活習慣病の予防

腸内環境が悪化している状態は、悪玉菌が優性になり、腐敗が進みます。その際、悪玉菌から発生する毒素が、慢性炎症やドロドロの血液の原因になってしまいます。「腸活」は将来の健康の投資にもなり得るのです。

   5.ダイエット

腸の機能が低下し、便秘が続くと、老廃物がスムーズに排出されないだけではなく、肝臓にも負担がかかってしまいます。
肝臓は、代謝を担う臓器なので、糖代謝や脂質代謝がスムーズに行われなくなると、痩せにくい体質になってしまいます。
カロリー制限や糖質オフダイエットなど様々なダイエット法がありますが、実は、腸内環境を整えることが代謝を活発にし、リバウンドしにくい身体を手に入れられる健康的なダイエット法なのです。

  効果的な発酵食品の取り入れ方
   1.毎日1品でも発酵食品をプラスする

発酵食品を一気に大量に食べたからといって、すぐに腸内環境が変わるわけではありません。菌が腸の中で生きられるのは、3日~1週間、定着するのに2週間はかかるといわれています。毎日少しずつでもいいので継続して食べることがおすすめです。

   2.非加熱や低温で調理する

発酵食品に含まれる発酵菌や酵素は60℃以上になると失活してしまいます。失活しても、死菌となって腸内細菌のえさになるので、無駄ではありませんが、より効果を実感したいときは、生や低温調理でいただくのが良いでしょう。

   3.野菜やお肉と組み合わせる

野菜に含まれる食物繊維は腸内環境のえさになるので、発酵食品と一緒にとることで相乗的に腸内環境を改善することができます。
また、お肉と組み合わせることで旨味がアップするだけでなく、発酵菌の力で分解されるため、消化に優しく胃腸に負担がかかりにくいというメリットがあります。

   4.シンプルな素材でできた発酵食品を選ぶ

市販品の原材料をみてみると「発酵調味料」と書かれたものが入っていることがありますが、これは、化学的に発酵させたものですので、「発酵食品」本来の力をもっているものではありません。
お味噌ひとつとっても「米、大豆、食塩」のものもあれば、「米、大豆、食塩、水飴、酒精」などが入っているものもあります。「酒精」は身体に害がある添加物ではありませんが、味噌の発酵を止めるために入れられているものです。
「発酵菌」が生きている方が、腸内環境を整えやすいため、なるべくシンプルな素材でできた食品を選ぶことも「腸活」の秘訣です。

 おわりに

「腸活」のための「発酵食品」の効果的な取り方についてご紹介しました。

春になると、環境が変わる人も多く、睡眠の質が落ちたり、体調が不安定になりがちに。そんなときこそ、いつものお食事に「発酵食品」を1品プラスし、腸を健やかに保ちましょう。


発酵食品を活用したおすすめレシピをご紹介します。こちらも合わせてご覧頂ければと思います。
やみつきナスと牛肉の味噌炒め♪【薬剤師レシピ】

薬剤師-栄養カウンセラー・冨尾ありささん

薬剤師-栄養カウンセラー・冨尾ありささん(一社)インナービューティープランナ-

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薬剤師の経験と栄養の知識を通じて「共働きのお母さんの幸せを叶える」ことをミッションに活動。
薬学と栄養学で顧客の美容・健康計画を叶えるだけでなく、調和のとれた豊かな暮らしをサポートする起業支援に従事。単なる起業支援ではなく、「魅力的に年を重ねるライフスタイル」をトータルサポートしている。
フルタイム勤務しながらフリーの仕事である料理教室・栄養セミナー受講者は1年で600人、カウンセリング薬局のべ5000人

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