秋の味覚!『きのこ』でダイエット強化&体調トラブル別きのこの栄養素【薬剤師コラム】

食欲の秋と言われるように、秋には、さつまいもや栗・れんこん・ゴボウ・そして私達の主食であるお米など多くの食材が旬を迎えることで、食欲が増す方も多いのではないでしょうか。秋に旬を迎えるものは糖質が高いものが多く、夏バテの反動で、食欲が増し太りやすくなる方もいらっしゃいます。

一方で、秋にはダイエットの強い味方であるきのこ類も旬を迎えます。

きのこといっても様々な種類があり、それぞれ栄養価や特徴が異なります。

本コラムでは、きのこが『ダイエットに良い理由』と『体調や体のトラブルに合わせて、どのきのこを摂れば効果的なのか』をご紹介します。

 「きのこ」がダイエットにい理由は?

きのこは、腸内環境を整え体の中からキレイにする腸活はもとより、ダイエットをされる方にとっておすすめ食材です。ダイエットに良いとされる理由として、『低カロリー』『ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富』『噛みごたえがある』『旨味成分』があげられます。

低カロリー

きのこは、水分量が多く、100gあたりのカロリーは約20kcal前後と、とても低カロリーな食材です。

ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富

ダイエット中に不足しがちなビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含みます。
便秘改善だけでなく、血糖値の急な上昇や生活習慣病の予防効果も期待できます。

噛みごたえがある

きのこは噛みこたえがあり、「よく噛む」ことで、早食いを防止し、満腹感が得られるため、食べ過ぎやドカ食いを防止できます。
また、「よく噛む」と脳内の「ヒスタミン」という物質が増えることで、交感神経が刺激され、内臓脂肪の燃焼をサポートします。

「旨味」成分

きのこにはグルタミン酸やグアニル酸などの旨味成分が含まれており、料理の「旨味」を引き立てます。
自然由来の旨味を活用することで、塩や砂糖などの調味料を減らし、化学調味料を使わなくても美味しく仕上がることで、むくみ防止やダイエット促進に繋がります。

秋の味覚であり、旬食材のきのこは、ダイエットの強い味方になる食材です。料理や食事に取り入れていきましょう。

 体調・トラブル別きのこの栄養素

きのこは、食用できる種類だけでも数百種類あります。今回は、体調や体のトラブルにあわせて、食卓に取り入れやすい『きのこ食材』と『栄養・効果』を説明いたします。

   体調・トラブル別:疲労・疲れぎみ

 【疲れが溜まったとき】…ぶなしめじ
 →疲労回復の栄養素:オルニチン、ビタミンB1

「ぶなしめじは、しじみに比べると約10倍のオルニチンが含まれています。」
・オルニチンは、ミトコンドリアの働きを助けることで、エネルギー産生を促し、疲労回復に効果的な栄養素とされています。
・またオルニチンは肝臓の機能をサポートすることで、脂肪の分解促進効果やアルコール、添加物など体に有害な物質の分解促進効果が期待できます。

栄養素出典:ぶなしめじ100gあたりのオルニチン 140mg、しじみ100gあたりのオルニチン 10~15mg <ホクト(株)より>

   体調・トラブル別:糖質・甘いものの過剰摂取

 【甘いものをたくさん摂ってしまった!】…えのきたけ
 →甘いもの対策栄養素:ビタミンB1

「えのきたけは、他のきのこに比べ、ビタミンB1の含有量が高いのが特徴です。」
・ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換するのに必要な栄養素です。
・摂取した糖質を、溜め込まずしっかり体で燃やすためにも、甘いものを摂取してしまったときは、えのきたけなどでビタミンB1の補給を意識してみましょう。

栄養素出典:100gあたりのビタミンB1含有量 0.24mg <日本人の食事摂取基準2020年より>

   体調・トラブル別:肌荒れ・美肌にしたい

 【お肌をきれいにしたい】…エリンギ
 →美肌対策栄養素:ビタミンB2、亜鉛、ビオチン

「エリンギは、ビタミンB2、亜鉛、ビオチンとお肌に嬉しい栄養素を含む食材です。」
・ビタミンB2は、別名「潤いのビタミン」とも言われ、脂質の代謝に関与し、お肌の潤いを保つために必要な栄養素です。
・亜鉛は、皮膚の新陳代謝に関わり、新しい皮膚の生成を促します。
・ビオチンは、お肌のベースであるタンパク質の代謝に関わります。
肌荒れ、肌トラブルの予防には、エリンギをしっかり摂って対策しましょう。

   体調・トラブル別:コレステロール値が高い

 【コレステロールが気になる】…しいたけ
 →コレステロール対策栄養素:エリタデニン、ビタミンB2

「しいたけに含まれるエリタデニンにはコレステロールの増加を抑制する効果があると言われています。」
またビタミンB2は脂質の代謝に関わる栄養素であるため、コレステロールが気になる方や、動物性の脂質など脂っこいものが好きな方にとって、しいたけは強い味方です。

参考・出典(PDF):エリタデニン高含有シイタケの開発とその脂質代謝に及ぼす影響 <豊増 哲郎, 杉山 公男>

   体調・トラブル別:免疫力が低下している・免疫力UPさせたい

 【免疫力をアップさせたい】…ハナビラタケ、まいたけ
 →免疫力アップ栄養素:βグルカン、ビタミンD

「ハナビラタケやまいたけは、他のきのこに比べβグルカン、ビタミンDを多く含む食材です。」
・βグルカンは免疫細胞を活性化する働きがあると言われ、風邪やアレルギーの予防改善が期待できます。
・ビタミンDは、私達の粘膜のバリア機能を高めるために必要な栄養素です。加えて、免疫機能を調整する働きもあります。
冬に備えて、しっかり免疫力を高めたいときに、まいたけを活用しましょう。

栄養素出典:100gあたりのβグルカンはハナビラタケ8.9g、まいたけ2.3g、100gあたりのビタミンD はハナビラタケ200μg、4.9μg
<日本人の食事摂取基準2020年より> ※ハナビラタケ栄養成分は森の環社参考

 終わりに

今回は、きのこの栄養素と特徴についてご紹介しました。

きのこは、ダイエットに効果的なだけでなく、様々なトラブルに対応できる魅惑の食材です!

この秋には、「体の声に耳を傾け、トラブルに合わせたきのこを選択し、きのこの歯ごたえ、風味、旨味を存分に楽しみながら活き活きお過ごしください。


食事の悩みで、「食べているときに美味しいと感じない」「食べたあとに強い罪悪感がある」場合は、以下のコラムもお役立て頂ければと思います。


◆料理特集『きのこ料理特集』-腸内環境を整えて免疫力UP!-◆

薬剤師-栄養カウンセラー・冨尾ありささん

薬剤師-栄養カウンセラー・冨尾ありささん(一社)インナービューティープランナ-

記事一覧

薬剤師の経験と栄養の知識を通じて「共働きのお母さんの幸せを叶える」ことをミッションに活動。
薬学と栄養学で顧客の美容・健康計画を叶えるだけでなく、調和のとれた豊かな暮らしをサポートする起業支援に従事。単なる起業支援ではなく、「魅力的に年を重ねるライフスタイル」をトータルサポートしている。
フルタイム勤務しながらフリーの仕事である料理教室・栄養セミナー受講者は1年で600人、カウンセリング薬局のべ5000人

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

PR

おすすめ!?レシピ

  1. オートミールパンで☆簡単ヘルシーマリトッツォ【管理栄養士レシピ】

  2. 薬膳ハンダマ元気サラダ〈沖縄県レシピ〉□栄養表示□

  3. 甘酒オートミールアイスと抹茶のアフォガードレシピ♪

  4. 食物アレルギー配慮レシピ*キャロットシフォンケーキ(小麦・卵・乳・大豆不使用)

  5. 山芋とスーチカー(塩豚)挟み揚げ*ウコン塩<沖縄県レシピ>栄養表示

♬レシピ動画♬

  1. 島ニンジンのやみつきカレーソテーレシピ動画*ヨーグルトソース♪沖縄島野菜

  2. ♬レシピ動画♬喫茶店風固めプリン*おうちで作れる

  3. ♬レシピ動画♬ブロッコリーとアンチョビのベーグルサンド

ピックアップコラム

  1. 食の情報発信時のポイントと保健機能食品における表現方法例

  2. ヘルシーなのに満たされる食事のポイントとは?ダイエット中の方は必見!【薬剤師コラム】

  3. 『便秘』ー栄養カウンセリング・食の悩み相談事例【薬剤師コラム】