野菜に含まれる栄養素は、生活習慣病の予防になることがわかっています。高血圧予防のカリウムついて解説します。野菜摂取や食事の見直しで高血圧予防につなげていきましょう。
カリウムとは
カリウムは、ミネラルの一種で野菜や果物に多く含まれる栄養素。吸収された後、大部分が細胞内にとり込まれ、細胞膜にあるナトリウムカリウムポンプの働きにより細胞内外の濃度差を一定に保っています。主な働きは、余分なナトリウム(塩分)を体外に排出し、血圧を正常に保つことから高血圧予防、筋肉の収縮を正常に保つ、体内の水分調節などがあります。
カリウムを活かす調理方法
カリウムは水に溶けやすい性質なので、生野菜や、さっと茹でる、スープなどの調理がおすすめです。果物にも多く含まれていますが、果物の糖(果糖)は、余った分は中性脂肪に変わるので、過剰摂取せず、適度に取り入れましょう。
高血圧と要因
血圧とは、「心臓から全身に送り出される血液が、血管の壁にかかる圧力のこと」です。この圧力が高い状態が高血圧。さらに、この状態が続くと、血管が狭くなり動脈硬化が進行して脳卒中、心筋梗塞、腎臓病などを引き起こす原因となります。遺伝や塩分の過剰摂取、肥満、ホルモンの病気などが原因ですが、予防できるのは塩分です。
では、毎日どのくらい塩分を摂取しているのでしょうか。平成30年の国民健康・栄養調査によると、20歳以上の塩分摂取状況は、男性 11.0g、女性 9.3gでした。
※参照資料:厚生労働省 平成30年国民健康・栄養調査
2020年に変わった?!塩分の目標量
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」よると、1日の塩分の目標量は、以前より0.5g引き下げ、成人男性7.5g未満/成人女性6.5g未満、さらに高血圧・慢性腎臓病の予防のため6g未満とされました。(※厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2020年版)
塩分は「1日6.5gまで」と言われても、なかなか実感がわきませんね。例えば、カップラーメンの塩分は、なんと約5~7gも含まれているのです。汁まで飲み干したら、1日分の塩分目標量をオーバーすることも。
特に、多く含むメニューは、麺類やインスタント食品、加工品、さらに外食です。これらの頻度が多い方は、まずは塩分表示を確認してみてくださいね。
高血圧予防のポイント
①麺類の汁は飲み干さない
②外食や加工品、インスタント食品は塩分表示を確認する
③野菜や果物を取り入れる
など身近なことから気を付けましょう。
高血圧は自覚症状がほとんどないため、サイレントキラーともいわれます。気が付いたら動脈硬化を発症し脳卒中になったという方も増えています。高血圧と診断された場合は、放置せず、定期的な健康診断がおススメです。塩分に気を付けながら、野菜に含まれるカリウムを摂取して食事で予防していきましょう。
(*高カリウム血症や腎臓病でカリウム制限がある方は、必ず主治医の指示に従ってください。)
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