『べろべろ(えびす)』は、たまご+寒天の料理で、江戸時代の料理書【江戸料理通】【料理百珍】に記された「たまご寒天」がルーツとされています。当時は貴重品だった卵と砂糖をごちそうに仕立てたもので、おせち料理の定番品目で数の子や紅白かまぼことともに一の重におさめられる料理です。
地域によってさまざまな呼び名があるのも特徴で、つるつるした見た目から「べろべろ」や輪島市の郷土菓子・柚餅子(ゆべし)から由来し寒天と卵だけで簡単に作れるため「はやべし(早ゆべし)」とも呼ばれたり、富山県では「べっこう」の名で伝わっています。
お正月や冠婚葬祭などのハレの日に食べられ、砂糖をたっぷり入れた『べろべろ・えびす』を子どものおやつにする家庭も多かったようです。シンプル料理のため、ご家庭ごとに仕上がりや味に個性が現れます。
レシピでは、角寒天ですが、ご家庭で作る場合は、粉寒天(目安4g)を使われても作りやすいかと思います。「おはしをお取りあそばせ!」