沖縄の食文化・琉球料理の特徴と料理紹介【沖縄料理研究家コラム】

琉球料理は、歴史なしには語れない沖縄の大切な文化のひとつです。沖縄料理が好きな方や沖縄県を観光する前に琉球料理を知って、琉球料理を取り入れるのもおススメですよ。
前回のコラム「沖縄県の食文化に繋がる『琉球料理』がうまれた歴史・背景について」につづき、今回は、琉球料理の特徴と代表的な料理を紹介していきます

  琉球料理の特徴とは!?

琉球料理はどのような特徴があるのでしょうか。
大まかに分けると『豚肉料理』、『うま味を生かした料理』、『クスイムン(医食同源)料理』の3つの特徴があります。

 一つ目の特徴:豚肉料理

豚肉料理が多い理由は、冊封使をもてなすため豚肉を取り入れ、それと同時に養豚も盛んになったと伝えられています。また、琉球王国時代、馬や牛は、士族の乗り物や運搬用として使用する理由から王府から屠殺禁止とされ、豚肉を食べる習慣になった歴史背景があります。
 
庶民には贅沢なごちそうの豚肉でしたが、昔はハレの日や大晦日に豚を屠殺し、【「鳴き声」以外は全て食べる】という風習がありました。今でも、旧正月は、「豚正月」とも言われ、豚肉料理を食べる習慣があり、現代にも豚肉料理が伝えられています。

以下の表は、部位別の代表的な豚肉料理です。

豚の部位別にたくさんの豚肉料理がありますね。このように、冊封使のおもてなしや歴史背景が大きく関係し、琉球料理に豚肉が多く取り入れられたことがわかりますね。

 二つ目の特徴:だしの旨味を生かし、うま味で食べる料理

琉球料理は、だしのうま味を生かし、味わい深いのが特徴です。だしは、かつお節(イノシン酸)、豚肉(イノシン酸)、昆布(グルタミン酸)、干し椎茸(グアニル酸)などがありますが、うま味成分を組み合わせることで、うま味が倍増し、「うま味の相乗効果」がうまれ、より美味しくなるのです。

また、昆布は琉球(沖縄)では手に入らない食材でしたが、北海道の昆布が薩摩(現代の鹿児島)を通じて琉球に流れたと伝えられています。昆布は選別され、規格外のものは庶民に渡り、南国の気候で腐らない昆布は、重宝され普及しました。昆布も、貿易を盛んに行っていた歴史背景がありますね。では、旨味を生かした料理は、どのような料理があるのかみていきましょう。

≪主なうま味を生かした料理≫
ドゥルワカシー
田芋に豚肉や干し椎茸、さらにカツオ出汁で練り上げる1品。薄味でもうま味が凝縮した絶品料理。

セーファン(菜飯)
ご飯の上に、人参や油揚げ、干し椎茸などの具材を出汁で煮たものをのせ、食べる直前に熱いカツオ出汁(豚出汁)をかけていただく1品。こちらは、宮廷料理として食べられていた伝統的な料理です。

ソーキ汁
豚のあばら、昆布、冬瓜などをカツオ出汁で煮込んだ汁もの。豚と昆布の出汁が冬瓜にしみ込んだ旨味をいただく1品。

クーブイリチー
細切り昆布、豚肉、カマボコなどを甘辛で煮た昆布の煮物。現代でも家庭料理の1つで、豚肉のうま味と昆布うま味の相乗効果でうま味が倍増した惣菜。

このように琉球料理は、うま味を組み合わせた料理がたくさんあるのです。

ドゥルワカシー写真
<ドゥルワカシー>
 3つ目の特徴:医食同源に基づき食材の組み合わせを活かした料理

琉球王のために書かれた現代の栄養学書のような書物「御膳本草」があります。こちらは、中国(明)の医食同源の考えをもとに書かれたもので、飢餓以降、庶民に伝わりぬちぐすい(食べものが命になる)料理やクスイムン(薬になる)料理が食べられるようになりました。主に煎じる料理ですが、食材の栄養素を組み合わせているのが特徴です。

≪主なクスイムン料理≫
チムシンジ
豚のレバーと島人参などを煎じた汁。(疲労回復・病気の回復など)

イラブーシンジ
当時は高級珍味だったエラブウミヘビを煎じた汁。(滋養強壮・神経痛など)

ターイユシンジ
フナと沖縄島野菜のニガナを煎じた汁。(風邪・熱さましなど)
 
このように、医食同源をもとに、体調によって食材の効能を活かした料理が昔から取り入れられているのです。

<チムシンジ>
  王族からも絶賛された琉球料理とは!?

絶賛された料理は、琉球王国時代から食べられている島豆腐の珍味豆腐ようです。
琉球の最後の王:尚泰 四男尚順は、豆腐好きだったようで、豆腐に関するたくさんの記述が残っています。その中でも、豆腐ようについては、「世界の珍味に匹敵する」と絶賛した記録があります。豆腐ようは、島豆腐を泡盛や赤麹で発酵させたもので、沖縄のお土産コーナーや沖縄料理屋さんにもあり手軽に試せる琉球料理の一つですね。

豆腐ようが苦手な方もいるようですが、私自身もその一人でした。初めて食べたのは高校生の時。なんと、そのままひと口で食べてしまったのです。豆腐ようは、ひと口で食べるものではなく、爪楊枝などで少しずつ楽しむ珍味ですね。大人になると味覚が変わって、今では大好物です♪苦手だった方も再挑戦するのもよいですね。さらに泡盛と組み合わせると絶品ですよ。機会があったら是非、試してみてくださいね。

  おわりに

語り継ぎたい琉球料理の魅力は伝わりましたでしょうか♪
琉球料理の特徴は、色々な歴史背景から発展したことがわかりますね。
泡盛や琉球菓子もこの時代からの伝統的なものですが、今回は書ききれないのでまた次回にご紹介したいと思います。
また、Noteのコラム↓では、琉球料理のセーファンのレシピや、沖縄県内で琉球料理が食べられるお店などをご紹介しています。そちらも合わせてご覧くださいませ~。

琉球料理|沖縄料理研究家 宮澤かおる|note

▼参考文献
●東洋企画 「琉球・沖縄史」
●當間清弘発行 「御膳本草」
●月刊沖縄社 「琉球王国の歴史」
●刊行会編 「松山御殿物語」


前回のコラム『沖縄県の食文化に繋がる『琉球料理』がうまれた歴史・背景について』も合わせてご覧頂ければと思います。

沖縄料理研究家・管理栄養士 宮澤かおるさん

関東と沖縄の両拠点で、「ぬちぐすい(食は命の薬)」をモットーに沖縄の食文化や沖縄食材を広める活動中。管理栄養士として、ジュニアアスリートの栄養カウンセリング、料理教室・大学での助手、病院栄養士(内分泌系栄養指導等)、食のコンサルティング会社(TV番組料理アシスタント、商品開発、腎臓病サイト監修等)を経験され、幅広い栄養管理の知見・実績を積む。

沖縄の先代が大切にしてきた食文化、沖縄島野菜、琉球王国時代の食を次世代に伝える!という想いで関東初の沖縄料理研究家として活動中です!
沖縄県内ホテル食部門アドバイザー、泡盛メーカーコラム担当等

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