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私たちが普段何気なく食べているお肉ですが、お肉を頂くことは動物の命を頂くことであります。あらゆる命に感謝をこめながら、無駄のないよう食べることを心がけたいですね。
日本の年間『食品廃棄物は1,561万トン』、その中で本来食べられるのに捨てられる食品『食品ロスは643万トン』(2019年4月農林水産省公表)。お肉として捨てられている割合は、20%となっています。
現実として、肉の生産には多くの土地を必要とし自然環境を破壊に繋がる側面もあり、肉の廃棄による環境への影響は大きいものです。代替肉も普及し始めましたが、お肉を食べるときは、感謝と祈りをこめて、頂きたいものです。
今回は、お肉に関する情報として、知っているようで知らない「部位」に関する情報をお伝えします。(今回は魚に関しての掲載はありません)
普段頂いているお肉の部位を認識し、無駄なく命をいただきましょう。
食べられているお肉の種類
肉用の家畜は肉畜と言い、牛、豚、馬、羊、山羊などがあり、肉用の家禽は食鳥といい、ニワトリ、アヒル、七面鳥などがあります。狩猟などにより得られた食肉には熊・猪・鹿などのジビエが主にあげられます。
お肉の栄養と摂取目安
牛肉の代表的な栄養素として挙げられるのが、良質なタンパク質です。現代人はタンパク質不足といわれ、1955年と同水準のタンパク摂取量です。不足の要因は、運動不足になりがちなライフスタイルの中、炭水化物中心の食事をとるようになってきたこと、女性は特にダイエットによる食事制限のため不足がちとなっています。
厚生労働省が推奨している1日のタンパク質の必要摂取量は、成人男性50~60g、成人女性40~50gです。長生きする「適量」で換算すると、1日あたりにお肉は手のひら一枚分80~100gを摂ればよいことになります。
よく食べられる牛・豚・鳥におけるもも肉の栄養比較は、牛肉は鉄分や亜鉛、ビタミンB12、豚肉はビタミンB1、鶏肉はビタミンAを他よりも含んでいる特徴があります。
お肉以外でもタンパク質は摂取されることと、赤身肉は脂肪を多く含むためカロリーも飽和脂肪酸も量が増えるため、摂りすぎには注意が必要です。
肉の部位図鑑
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牛の部位(正肉・内臓)
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豚の部位(正肉・内臓)
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鶏の部位(正肉・内臓)
肉の焼きかげんの表現
ステーキなどを食べる際に焼き加減を選びますが、焼き加減の由来は「ゆで卵」のゆで加減を表現した言葉に由来するようです。主な焼き加減は「レア(rare)」「ミディアム(medium)」「ウェルダン(well-done)」となりますが、ステーキハウスではもっと細かい焼き加減を使うお店も多いですね。
食品ロス(フードロス)を減らす方法
年間の食品ロス643万トンを、国民一人あたりに換算すると、一人あたり約50kgの食料を捨てていることになります。世界では9人に1人が十分な食料を得られず栄養不足で苦しんでいますので、食品ロスをなくすために、以下の点を意識して食べ物と向き合って行きましょう。
[計画的な調理、食品のしたごしらえ、食べ残し部分の冷凍保存、再利用、買い物は少量買い(お徳用で大量買いをしない)、販売期限の近い食品から購入、防災用や保存食は定期的な期限チェックと利用]などが食品ロスを減らす方法として大切です。
精進料理とお肉を食べる心構え
最後に、お肉を頂くことに関して、宗教面からお伝えいたします。
世界の宗教の中で、全般的な肉食を禁止しているのは、ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教で、菜食主義の食事となります。
日本と馴染みの深い仏教における考え方としては、戒に基づき殺生や煩悩への刺激を避けることを主眼として調理された料理である『精進料理』、こちらには避けるべきと考えられている食材が大きく分けて2つあり、1つは「三厭(さんえん)と呼ばれる動物性の食材」、もう1つは「五葷(ごくん)と呼ばれるネギ属などに分類される野菜」とされています。
精進料理で動物や魚(目鼻口があるもの)を一切食べないのは、それらの命は、食べてしまうと消滅してしまうからです。野菜や根菜、海藻類の命は根絶やしにしないかぎりは、また再生しますので、同じ命でも食べることを許されているのです。
動物のお肉という貴重な命の食材を頂くことは、私達の生を支えてもらっているということです。食品ロスを出さない食前の準備を行い、食事を頂く際には「(命を)いただきます」と手をあわせて、食事の終わりでは「ごちそうさまでした」という気持ちを持ちたいものです。たった1秒のこの気持ちが、正しい姿勢で食事に向き合うことにつながると思います。
参考文献・引用:食べ物のしくみと栄養図鑑、農林水産省・Webマガジン「aff(あふ)」2020年9月号、部位写真:(公財)日本食肉消費総合センター監修部位図鑑を加工作成
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