人の生活に「食事」はとても大切で、生きる上で欠かせないものです。
単に栄養を摂るだけでなく、「おいしく料理を楽しみたい、味わいたい」という方は、ぜひ五感を意識した食事をとることをおすすめします。
食べ物を「おいしい」と感じるのには、人間の五感(視覚、味覚、触覚、聴覚、嗅覚)が大きく作用しています。特に日本人はこの効果が顕著であるとされ、五感を刺激することは食事の満足度に大きく影響します。
例えば、目をつぶって食事をするよりも、「目で見て味わう」ことで視覚からおいしさが伝わり、より魅力が引き立ちます。単に味がおいしい料理を作ることを意識するだけでなく、おいしさを五感で味わってみましょう。五感を刺激して料理を楽しむことで、人が本来もっている感性が養われ、生活に潤いが出て気持ちが明るくなることでしょう。
今回は、その五感を刺激する食材や調理方法、料理などを紹介します。
視覚:彩り豊かな食材を使用したサラダ
色とりどりの食材で視覚を刺激するのにぴったりなのが「サラダ」です。様々な食材を使えるので、手軽に彩りよく見せることができます。使用食材は、「緑、赤、黄」の三原色を入れると良いでしょう。
おすすめの食材
緑:葉物野菜(キャベツやレタス、ベビーリーフ、ほうれん草)、いんげん、きゅうり、ブロッコリー
赤:トマト(赤)、紫キャベツ、パプリカ(赤)、ハム、ベーコン、えび、サーモン
黄:とうもろこし、じゃがいも(キタアカリなどの黄みが強いものがおすすめ)、ミニトマト(黄)、パプリカ(黄)、ゆで卵
「日本人は目で料理を食べている」と言われるほど、視覚は重要な感覚です。五感情報取得の割合では、おおよそ8割を占めています。ぜひ三原色を意識して食材を選んでみましょう!
味覚:味のコントラストを意識した複数種類のおばんざい
味覚を刺激する料理として、酸味、甘味、塩味、旨味など様々な味が楽しめるおばんざい(京都の郷土料理)がおすすめです。おばんざいは、味の異なるおかずを数種類組み合わせて食卓に並べるのが特徴です。
触覚:口の中で感じる食感 サクサクのとんかつ
触覚を刺激する料理としてはとんかつがおすすめです。あつあつでサクサクな状態が望ましいです。見た目はサクサクに見えても、いざ食べてみて衣がシナシナになっているとおいしさを感じる満足度が低くなるので注意しましょう。揚げ物は熱々な揚げたてが一番なので、献立を考える際には料理の工程を工夫し、出来上がり時間が揃うようにしましょう。
また、触覚を刺激するには、とんかつ以外のメニューでも至適温度を意識すると良いです。あたたかいものをあたたかいうちに食べる、冷やした方が適切なものは冷やす、なども意識して調理をするとさらに良いでしょう。
聴覚:調理音が聞こえる その場調理の焼肉
聴覚を刺激するのに絶好なのが焼肉です。「じゅ〜!」という焼いている音が聴覚を刺激します。焼肉は、店舗や家庭で火を囲んで調理できることから、聴覚の刺激をシェアできるのも嬉しいポイントです。その場で周りの人と共有できるので、コミュニケーションも自然と捗ることでしょう。
嗅覚:燻製で仕上げるチーズやソーセージ
嗅覚を刺激するのにおすすめの料理は燻煙料理です。
燻製とは、煙の成分が表面に付着することによって、食欲をそそるような「燻煙臭」をつける調理法です。家庭でもフライパンで手軽に作れる方法も紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。
ソーセージやチーズなどがいつもとは違った風味になり、食欲をそそります。キャンプ時などのバーベキューでも出来上がるまでの過程でも香りが漂い、食べるのが一層が楽しみになりますね。
また、燻煙の過程で使われるスモークチップは数種類あります。食材に合わせて選ぶとなお良いでしょう。ちなみに、肉やクセのある食材は、香りの強い「サクラ」が使わます。
嗅覚とおいしさは密接な関係があるとされています。それは「風味」を嗅覚で感じているからです。香りを存分に楽しめる調理法を用いて、嗅覚を刺激しましょう!
まとめ
普段何気なく料理や食事をしていますが、上記で述べた通り、これらは五感と非常に密接な関係があります。「食べておいしい」と感じるのはもちろんのこと、料理をする中でも五感が刺激されていることに改めて気づいた方もいるのではないでしょうか?
五感を意識しながら料理や食事をして、いつもよりも特別な毎日にしてみてはいかがでしょうか。人が本来もっている「感性」が磨かれ、生活の潤いが増すことでしょう。
参考文献
空間変化による刺激が食のおいしさに与える影響
http://www.ritsumei.ac.jp/se/rv/yamada_s/tea/res/11_task02/monta%20risa-A4.pdf
食物における視覚と嗅覚の役割について
おいしいの視覚化
https://gakuen-hachioji.jp/wp-content/themes/cuh/images/presentation-pdf/2018/2018_254_P032.pdf
料理を「おいしい」と感じる脳の仕組みとは?
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1155.html
コメント