空気が乾燥する寒い冬が終わり、ようやく暖かい春がくることで、お肌の乾燥を気にせずほっとする方も多いことでしょう。しかし春は、お肌のトラブルの要注意シーズンなのです。冬に乾燥した肌は、バリア機能が弱っており、わずかな刺激でも炎症を起こしやすい状態になっています。その肌が春に紫外線を受けると、シミの原因になってしまいます。
また乾燥肌は、肌のターンオーバーのサイクルが乱れており、一度できたシミが治りにくいといったデメリットもあります。
本コラムでは、「乾燥肌の予防と対策」および冬に乾燥した肌を内側から潤し、シミを予防するための「栄養素」についてご紹介します。
乾燥肌の症状
『乾燥肌』には以下のような代表的な症状があげられます。
✅肌がカサカサしている
✅入浴後に肌がつっぱる
✅化粧が時間とともによれやすい
✅お肌に赤みが出る
✅花粉症
上記のような症状があり、乾燥肌を実感している方は、以下の予防と対策をおすすめします。
乾燥肌の予防と対策
乾燥肌の予防と対策として「紫外線対策」「室内の湿度管理」「スキンケアアイテムの見直し」「スキンケアの見直し」をご説明します。
紫外線対策
春はUVAと呼ばれる紫外線が真夏とほぼ変わらない量で発生しています。この紫外線は窓を透過するため、家の中にいる時間が長い日でもしっかりUVケアを行いましょう。
室内の湿度管理
肌のためには、湿度50~60パーセントを保つのが理想的です。
暖房などで、部屋が乾燥しているときは、加湿器や濡れたタオルを部屋にかけるなど、適切な湿度を保ちましょう。
スキンケアアイテムの見直し
オイルクレンジングやふき取りメイク落としなどは、乾燥肌にとっては負担になってしまいます。
合成界面活性剤・アルコール・合成着色料・パラベンなどが入っていないものを選ぶことで肌への刺激を減らすことができます。
クレンジングのタイプとしては、ジェルタイプやクリームタイプが肌への負担が少なくおすすめです。
スキンケアの見直し
クレンジングをする際は、乾いた手・顔でクレンジングをはじめ、クレンジング剤がなじんできたら少量の水を足し、肌の上でクレンジング剤と水をしっかり混和(乳化)させることがポイントです。
洗顔は、肌に指が直接当たらないようにたっぷりの泡で行い、しっかりとすすぎます。
水分を拭うときは、タオルで肌をこすらず、押さえるように水気をとりましょう。(押し拭き)
保湿剤は、ヒアルロン酸やセラミドが配合されたものが、角質層を潤し、乾燥を防いでくれます。
乾燥肌に必要な栄養素
『乾燥肌に対する栄養学的アプローチ』
乾燥肌にもってこいの栄養素が【ビタミンA】です。
ビタミンAは皮膚のつくりかえに役立ち、粘膜を正常化する働きがあります。
もしかしてビタミンA不足かも?
ビタミンAが不足すると乾燥だけでなく、以下の症状が出てくることがあります。
✅サメ肌のように肌がガサガサする
✅眼が乾く、髪の毛がパサつく、鼻の中が乾燥する
✅子宮内膜症、子宮筋腫など婦人科系のトラブルがある
✅夜、ものが見えにくくなる
ビタミンAを多く含む食材・食品
ビタミンAを豊富に含む食材と1日の摂取推奨量は下記を参考にしていただき、乾燥肌の方は、食事の見直しを図ってみてください。
・鶏レバー:100gあたり ⇒ 47000IU
・うなぎ:かば焼き1/2尾分 ⇒ 4000IU
・にんじん:1本 ⇒ 3000IU
・バター:大さじ1杯 ⇒ 200IU
成人女性の1日の摂取推奨量:約2100~2300IU
厚生労働省:日本人の食事摂取基準2020年より
植物由来のビタミンAは、体内で過剰になる心配がないため、妊娠中の女性も安心して摂取することができます。
またビタミンAは、油に溶ける性質があるため、油で炒める、揚げ物、ドレッシングなどで和えるなど、油と組み合わせることで吸収力がアップします。
終わりに
今回は、乾燥肌の予防対策と栄養学的アプローチについてご紹介しました。ビタミンAは乾燥肌対策だけではなく、抗酸化作用も併せ持つため、肌のしわやたるみの予防も期待できる栄養素です。ぜひ、うるおいのある美しい肌のために、内側から“ビタミンA”の補充を意識してみましょう。
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