日本も含めて世界中で高齢化は進行していると報道される一方で、疫学的研究により老化は、心血管疾患、認知症、がん、神経変性疾患、感染症、糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患などのさまざまな疾患の発症または重症度の危険因子であることが示されています。
腸内フローラの細菌構成は年齢(加齢)とともに変化しているという多くの報告があり、腸は最大の免疫器官であるため加齢に伴う腸内フローラの変化と免疫系の低下との関係が示唆されています。
加齢によって低下する免疫機能は、自然免疫系よりも獲得免疫系の方が著しいことがわかってきました。
さらに、無菌動物を用いた実験では、加齢による腸内フローラの変化が、腸透過性の増加、全身性炎症、認知機能の低下を引き起こすことも報告されています。
コラムでは、百寿者の腸内環境の特徴を腸内フローラを構成する細菌をご説明しながら、腸内環境の整え方のポイント等をご紹介しております。
百寿者(健康長寿)の腸内環境の特徴と腸内環境の整え方のポイント【腸活コラム】
過剰な高タンパク質食によるシミ発生や腎臓への負担を緩和する食物繊維
【岡山大学学術研究院環境生命科学学域 教授 森田 英利先生 プロフィール】
1991年岡山大大学院自然科学研究科博士課程修了。米国ミネソタ州立大 Food Science and Nutrition学部博士研究員、麻布大獣医学部教授を経て、2015年より 岡山大大学院環境生命科学研究科教授。
専門分野・研究テーマ:食品機能学,微生物ゲノム学、ヒトの細菌叢解析と腸内細菌・ビフィズス菌の比較ゲノミクス、乳酸菌のタンパク質代謝に関する研究、奄美群島の百寿者の腸内環境分析 等